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[nikomat:02546] DPE Service
こやの@つくば大学です。
今日はカラープリントの話を。例によって偏執狂的な話で恐縮です。
ひょんな事から押入の奥で眠っていたF2+55/1.2を発掘してカメラ道
楽のドロ沼にはまって以来、自分の写真を撮るときはリバーサルか白黒
です。ネガカラーの時は家族写真ですし、市内のマニアに訊いたミニラ
ボ(24枚同時プリント680円)へ持って行くからさほど気になりま
せんでした。
大型実験装置を入れ替えることになり、記録写真係の役が回ってきまし
た。焼き増しを考えてネガで、装置ですからシャープでコントラストが
強い方がいいし、6切まで行けば十分だからSuper G400。ミラーアップ
の出来るF2に高倍率ファインダー、Ai28/3.5、21/4、AiS20/2.8、Ai16/
3.5、グリップストロボ2丁、スポットメーターにジッツオ469Lと
いうシャープネス重視の装備で行きました。
同時プリントを大学出入りの業者に頼み(フジ純正仕上げ、一枚29円)、
プリントを見てビックリ”ピンが甘いじゃないの!”。安コンパクトカ
メラ並の写りで、私の道具立てを見た人には恥ずかしくて見せれません
でした。ネガはバッチリだから”のばしボケ”で再プリントさせました
が全く改善されませんでした。
やむなくネガを持っていつものミニラボに持っていきました。オペレー
ターと相談して、その店の機械(反射ミラー2枚使用)で引き伸ばしレ
ンズの絞り開放(f2)とf5と最小絞り(f15)、そして系列店の
ミラー1枚のマシンでL版に焼いてもらいました。どれも肉眼では充分
シャープな仕上がりでした。
結果を見ながらオペレーターと話をした結果は以下の通りです。
その店の機械(ノーリツ光機の最新型だそうな)では、
・短時間で処理できるようにハロゲン電球650W
・しかも拡散性無しの集光光学系
・いつも絞り開放
・焦点深度は浅いけど、フィルムの平面性は保たれるようになっている。
・標準露光時間は0.02秒
・光が強いから、絞って露光を長くするとフィルムが変色する
業務用の機械と自分の引伸機との違いに愕然としました。
さらに、プリントをウチに持ち帰ってライトボックスに載せてニコン×
4ルーペで覗くと
絞りf2>ミラー一枚マシン=f5>絞りf15
であることがわかりました。ミラーが増えても、新しい機械の方がピン
がいいようです。f2とf5、あるいはミラー1枚の差は殆どありませ
ん。f15が悪いのは小絞りによる回折の影響でしょう。
教訓:純正仕上げを過信してはいけない。
安いミニラボをあなどってはいけない。
あたらしいマシンの入っている店が良い。
オーディオの世界ではレコード針が良くてもスピーカーがタコだといい
音がしないそうです。カメラの世界でも引伸機が悪いと・・・。
#先日のメールで、AiS20/2.8の方が21/4よりシャープだと書いたのは間
#違いでした。逆です。ネガの番号を間違えていました。
古谷野 有@筑波大學低温センター
koyano@bk.tsukuba.ac.jp