[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

[nikomat:02607] Nightmare of HIKOO (Re: Less Mirror Shock)



Item Subject: [nikomat:02584] Re: Less Mirror Shock
河田です。


> 買えないってば! そもそも3万円で買いたたいたレンズに30万のボディーなんて
> ナンセンスの極み。
>いやいや、そんなことないですよ。30万という絶対値がちょっと大きいかなとは
>思いますが、比でいったら、僅か 1:10。
>私の持っている安いレンズと高いボディの組合せでは、1:20というのがあります。
>逆の組合せでだと、2:1 位。

持ってるレンズとカメラの対比よりも、せっかく安く買ったレンズのために高いボディー
を買うことへの罪悪感がありますね。
ニコンだって「写真はレンズで決まる」って言ってるしね。
これがサンニッパだったらまずはF4を買ったかもしれない。
賛否両論あるでしょうが、F4はAF機の中では、写真を撮りたくなる道具で
あることを忘れていない数少ない機種だと思う。
いつかは欲しい。

アドバイスをいただいた方のご意見を総合するとミラーショックだけに注目してもなかな
かぴったりのカメラは無いようです。むしろレンズとのバランスを考えてぶれ難い構成を
考えた方がよさそう。
どうもF3にMD−4をつけてみるのがてっとりばやく試せそうですね。
新品買っても3万円程度だし、似たようなカメラを単に増やしていくのは
やはり抵抗がある。


ぶれを無くすには三脚を使うのが当たり前なんですが、山へいって撮影するときって
意外と三脚が使えないときって多いもんですよ。
ちょっと険しい尾根なんか人がすれ違えるのがやっとのところが多い。
そんなところで三脚広げてると行き交う人の冷たい視線が刺さります。
他に、いろんな街のアンティークな街灯や看板のある光景を撮ることを趣味にしています
が、人込みの中で三脚立てられないですしね。
手持ちでしっかり撮れないとシャッターチャンスを逃しますね。報道プロは
こういった技術を身につけてるでしょうが、やっぱり体力勝負なんでしょうかね。
#MD−4よりダンベルを買うべきか?


>>      ない?)接触感染力は相当なもんです。まして実写感染力は強烈です。
>>      感染から発病までの苦しみは体力(経済力)との戦いになりますから
>>      個人差がありますが、体力のない私はなんとか、ビゾ解熱薬をうってこらえ
>>      ました。
>危ない!!
>解熱薬にも中毒性があるって、お医者さん注意してくれなかったんですね。
>解熱薬は、純度100%の品しかないですからねぇ。

     
     一眼レフにビゾ用レンズや、オリンピアゾナー、Sニッコールの18cm、2
     5cmなんかをつけて撮ってる人(または興味のある人)ってこのMLにどの
     ぐらい、いらっしゃるのでしょう?
     
     きっと中毒症状と戦ってるんでしょうね。
     
     症状の一例です(私が今戦っている)
     笑ってやってくださいまし。(^^;;
     
     
     「HIKOOの夢」
     
     
     開発コードネーム「HIKOO」ことへクトール12.5cmF2.5。
     このレンズの存在を初めて知ったのは去年の5月ごろでした。
     そのHIKOOは銀座の比較的めだたないところに静かに置いてあった。
     (騒がしいレンズがあったら見てみたい(^^;;
     
     私はそんなレンズに興味はなかったが横にいた中年の男性がそのレンズを
     見せてもらっていた。専用レンズケースかと思われたそのフードを
     はずして現れたHIKOOの姿は、NIKKORの黒い筒しか眼中に無かった
     私にはかなり新鮮であった。
     しげしげとそのレンズを見回したその人は「またにしとくわ」とそのレンズを
     店員に返して帰っていった。
     
       私はそのままショーケースに戻って行くHIKOOを見ながら値札を見た。
     18万円!! 私には関係無いレンズだし、とりあえずはどうでもよかった。
     はず、であったが数日後私はその店でそのHIKOOを見せてもらった。
     手に持ってみると重い。
     中を覗いてみると、自動絞りレンズでは見られない絞りばねの枚数、その円形
     の瞳孔に驚く。加えて銀色の光の美しいこと。
     蛍光燈に透かしてみた。
     そのHIKOOには拭きキズを思われる渦巻き状のキズが無数についていた。
     その上、後だまのくもりとゴミが、それとすぐわかるほどであった。
     先の男性がすぐ返した分けはこれか。
     私もさんざ見回した挙げ句購入の意志を示さなかった。それ以前にライカを
     買わねば使えないと思っていただけに値段的にF3一式を手放してまで
     買うしろものではなかった。
     
     そのレンズがライカビゾ用のレンズでへクトール12.5cmであること、
     ビゾをニコンにマウントできるアダプターがあることを(むしろニコンには
     ビゾぐらいしか他にマウントできる異機種レンズはないだろうということ)
     をしった。ライカ関係の本で調べて見てみたがそのレンズの写りについて
     大して書いている本はなかった。
     思い出して昔買った日沖氏の「写真術」をひっぱりだすと
     しっかり載っていた。この本を買った当時は「この辺は関係無いな」と読み跳
     ばしていたことを思い出した。
     (この「写真術」、今はI,II,IIIになっているが、Iの初版がある。
     この初版で紹介されていたレンズと「写真術I」になった改定版で紹介されて
     いるレンズが少し違う。なんだったか覚えていないがニコンのレンズでお勧め
     が変わっている。5年ほどの間にそのレンズの評価が変わったのか?)
     
     日沖氏の評価ではこの「高貴で華麗な写り」という表現が気になった。レンズ
     の写りを表現するのにいろんな言葉があるが「華麗」とはどんな写りだ!?
     
     結局、その「写真術」をもう一度読見返してもう1つ紹介されていた
     エルマー65mmの名前を知った。
     思えば、このあたりからライカ菌に犯されていたのか?
     エルマー65mmは簡単に、しかもかなりの本数を見つけられた。
     また値段もそれほど高くはない。このクラスの焦点距離のレンズを
     持っていないことも購入の理由づけに適当だった。
     ビゾをFマウントにするアダプターが4万円だったのは誤算だったが。
     
     実際に撮ってみるとエルマー65mmの写りは実にいい。ニコンのAFマイク
     ロ60mmあたりと比べてみないと本当のところは不明だが、解像度とか
     シャープネスで不満を覚えるほど甘い感じではないし、色も古い感じはない。
     花びらや金属の輝きを撮るととてもいい写りをする。(AF60mmの写りも
     気になるところだ)
     
     去年のボーナスをもらってからHIKOO探しをしてみた。やはり気になる。
     真剣になって探しても4つしか見つけられなかった。
     しかもどれも程度は以前のものと同じようなものだ。銀座で一番高い有名なお
     店では24万円の値段がついたがレンズのくもり、コーティングのキズは変わ
     らずだ。
     
     いつもはあんまりいかない店に1個見つけた。見せてもらうとやっぱりキズが
     ひどい。
     やはり古いレンズではキズやくもりはどうしようもないのだろうか。
     しかし、「まじめに購入をお考えなら試し撮りしてもいいですよ」、という
     お店の人の声に乗せられてF3につけてその店の周囲を撮ってみた。
     
     結果はまったく、がっかりだった。
     15枚ほど撮ったうち、ほとんどを開放で撮ってしまった私の失敗だ。
     いつも、自動絞りレンズで撮っているせいもあるだろうが、女性の店員さんに
     見つめられて(見張れれてたんだよ!)、絞り値を変えて撮っておく基本さえ
     忘れていた。
     
     ひどいハレだ。とても使えたものではない。絞り開放で逆光ぎみで撮った
     ものだ。「このレンズはもともと逆光に弱いのだろうがコーティングのふき
     キズ、絞りばね油によるものと思われる後だまのくもりと合わさっての
     結果でしょう、古いレンズはしょうがないですね」、とお店の人も言った。
     これでは風景には使えないな、と買う気は一気にうせた。
     
     が、最後の2枚は別だった。絞り値は確か4か5.6ぐらいだったと思う。
     その時だけなぜ絞りを変えたのか覚えていないがピントをあわせる時に絞り
     リングをまわしてしまったのだろう、シャッタースピードがやけに遅く、
     ファインダーが暗いことに気づいて絞りを変えた。
     その2枚は近くに置いてあったヤマハSR600を撮ったものだ。
     
     これはいい。
     前輪のフェンダーに反射した柔らかい光の筋は自分の腕があがったような
     錯覚を覚える。
     ほんとに残りの13枚と同じレンズの写りか!?
     これが華麗かどうかはなんとも言えないし、他の結果がひどすぎたから
     そう感じるだけかもしれない。
     結局、ほとんど開放でとってしまったことは後で気づいたが、その時は「止め
     ときます。」と言って帰ってきた後だ。もう一度お願い、とは言い難いし、
     やはりハレーションはキズやくもりがあれば多くなるだろう。
     値段も予算をかなり超えるほど高かった。
     
     
     幸か不幸か、それ以来、新しく発見したHIKOOはない。よほど玉数が少な
     いのだろうか。
     
     写りに加えて、中古しかなくしかも品薄のレンズは悪魔のようだ。
     見つからない方が幸せだろう。
     が、この先、もしコーティングのキズやくもりの少ないHIKOOが
     見つかったとき、買わないで無視する自信が無い。
     
     たった2枚の写真がよく撮れていただけなのに。
     
     
     
     #結局、その時のお金で銀ピカズミクロン90mmをビゾヘリコイドに
       変えて買ってしまいました。このレンズは去年の夏にうっかり
       ガケから落としてキズつけたAi85F2の後継になりました。
       日沖氏のいう「ライカでござい」という押し付けがましい写りとは
       はこんな感じなんだろうな、という感じです。(^^;;