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[nikomat:03874] Re: Nikkor VS Sonnar (5cm)
佐藤です。
こやのさん:
> 手持ちで撮影することを考えると、目の位置を厳密に真ん中に持ってくるのは
> 難しいですよね? すると、大口径レンズ・絞り開放・近距離で、斜め線でピ
> ン合わせするとはずしやすい、ってことになりますね。
上下に瞳位置がずれていると、確実に外れです。
> 以前の議論がフォローできなかったのですが、この問題、M3ならOKで、M
> 2〜6は要注意ってことですか?
M3の場合は、距離系の経路が直角、直角で曲がってくるんですが、
M2以降は、最後のファインダーブロックプリズムで70度(多分)
だったかで曲がるんですね。
で、瞳の水平移動の影響が、M3より強く出るんだと思います。
それでも、ヴューファインダー像位置と可動像位置がハーフミラー
に関して共役になっていれば、瞳の移動では、二重像のズレは殆んど生じない筈
なんですが、M4-2以降のはそうなっていないのが多いみたいです。
整理すると、
ある平面上の対象物 S の
ヴューファインダー像(V1)と距離計可動像(V2)に関して、
つぎの3条件を考えます。
[1]V1とV2が上下が揃っている。
[2]V1とV2の視距離が一致している。
[3]V1とV2の像高(像の大きさ)が一致している。
(以下では、距離計がきちんと調整されていることが前提です。)
[1][2][3]の条件がすべて満たされていれば、
瞳移動による誤測距はどんなSに対しても、起こり難い。
[2][3]が満たされていても、[1]が満たされていなければ、
Sが斜め線のときV1とV2を重ねれば必ず誤測距になる。
[3]が満たされていなければ、当然[1]は満たされていないので、
Sが斜め線のときV1とV2を重ねれば必ず誤測距になる。
[1][3]が満たされていても、[2]が満たされていなければ、
瞳位置が、ファインダー光軸上になければ、Sの形状により誤測距になる場合がある。
[1][2][3]のどれも満たされていないときは、
当然瞳位置が、ファインダー光軸上になければ、必ず誤測距になる。
しかも瞳位置が、ファインダー光軸上にあっても、V1の光軸上の点(垂直線)と
対応するV2の点(垂直線)を合致させるときのみ、測距できる。………(*)
これまでの民生用RFカメラを見てみると
[1][2][3]の全てを満たしているのは多分M3だけです。
(厳密には満たしていないのかもしれないが、素人の取り扱う範囲では位の意味で)
われらが、ニコンS*は、素人の範囲ででも[1][2][3]のどれも満たしていません。
6センチの基線長差が、そのまま、距離計光路にのってるので、[2][3]は満たせません
したがって、[1]もだめ。
よって、ニコンS*を使って、正確に測距するには、(*)となります。
しかし、ある程度の距離をとると、調整さえされていれば、ほぼ、[1][2][3]が
満たされるので、立派に実用になるわけです。これは、他のカメラも同様。
M2からM5も[1][2][3]を満たしているように見えますが、
瞳位置により、[2]が崩れる。
(M3も実際はそうなんでしょうが、裸眼では観測限界以下)
M4-2の駄目なボディでは、そもそも[2]がだめ。
M6では、瞳位置をうごかすと、光学系のどこかで全反射を起こして、V2が見えなく
なってしまいますね。(姑息な手法だ)