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[nikomat:05486] Pentacon Six (Re: bronica Nikkor)
よしだ@ないこん です。
# 特定の人に勧めると 別の人が感染するようだ。。。
In message <199708080152.KAA00387@asahi.mech.eng.osaka-u.ac.jp.mech.eng.osaka-u.ac.jp>
"[nikomat:05474] Re: Bronica Nikkors "
"MITSUNAGA Noriaki <mitchy@robotics.mech.eng.osaka-u.ac.jp>" wrote:
> 素朴な質問です。1/15[s] 手持ちが出来るのは吉田さんがすごいからですか?
> それとも、ぶれは焦点距離 180mm という値より画角で効くからですか?
・カメラが ぶれ難い(合宿では さとうさんが体験)
・カメラが 左手に保持し易く出来ている
・シャッターボタンの位置が、右手のホールドにとって楽な位置にある
・180mm/2.8が Nikkor 80-200/2.8 〜 300/2.8 程度に重い
・私も 気合いを入れて保持した
ですね。
数ある中からP6を選んだ理由に付いて、参考までに!
***** Pentacon Six との出会い *****
中判を始めたきっかけは至って簡単で、親父の形見の Pearl-II
というスプリングカメラ(645 Hexar 75/3.5 付)があった
からです。初めて自分でOHしたカメラでもある。
でも、きちんと中判始めるには、やはりSLRにしたかった。
しかし中判SLRの振動たるや凄いものです。特にミラー。
もともとスクエアに興味はなかったし、P6にも何も感じま
せんでした。とある日 浅草の師匠の店にて、マミヤ6やブロ
ニカの話を師匠としていた。ちょっと懐が暖かったのだ。
そこへ ひょこり、13枚目を撮るために 無理に巻き上げ
(P6は ここでロックが掛かり、巻き上げレバー横の小さな
解除レバーを一度操作しないと13枚目の巻き上げはできない
仕組み。13枚目以降は24枚目に このロックが作動する)
たため、カウンターが動かなくなったP6を持ち込んだ客が
やってきた。
# 神の啓示だったようだ。。。
師匠は、30分もかけずにチョイチョイと直した。中身は
やはりボディ一体成形で、Contax の伝統を受け継いだカメラ
ヴェルケの上位機種の 設計思想が伺える。
シャッター周りは、Exactaに似ている。巻き上げ量制御機構が
かなりヲタクだ! たった1枚のギヤが 正確に S〜0までの送り
量と、1枚目以降の送り量を、同じギアの 異なる歯列に刻む!
客は 恰幅の良い「近所のオッサン」風。Flektogon 65mm/2.8
が付いている。多の客のように 長居しようとしない。帰ろうと
する処で声をかけ、持たせてもらった。マウント下部の丸みは、
およそ直径70mmの筒型で 手に良く馴染む。よせば良いのに
空シャッターまで切らせて貰ってしまった。。。
「ペンタコン!」
と、まるで自己紹介するかのような音を立てた。
「自己主張のあるカメラだ!」
ミラーのマスの移動量程度の軽いショックが手に残るものの、
これまで触ってきた あらゆる中判SLRよりも断然ショックは
少ない。ペンタ67で ミラーアップした場合と同等か、それ以
下かも知れない。そして「もう長年このカメラが 御散歩カメラ」
だと客は帰って言った。
「ウェストレベルファインダーを付けて御散歩カメラなのか!?」
カルチャーショックだった。
確かに 手持ちも楽そうだし、65mm(35mm判なら35mm)でf2.8
なら ピン出しも楽そうだ。なにより 結構軽いし、シャッター
ショック小さいし、レンズはCZJじゃないか!!!
H師匠と二人きりになり、「あれ、良いですねぇ」と話が始まった。
「あんたなら 簡単にメンテできるはず」
「長年使えば使うほど良さが分かるはず」
「俺の好みはMamiyaya6だが、SLRなら あれが良いだろうね」
「焦らなくても まだ2〜3年は いつでも入手可能」
スクエアには 興味無いゆえ ブロニカを外していた私だったが、
あれには参ってしまった。
数ヶ月後には、P6&50/4&80/2.8&180/2.8 が 我が家に有った。
これまでに何度か売ろうと思ったことはある。気に入らないのは
ファインダー視野率が低いことである。
しかし、P6の全機能のスーパーセットになっている機能を持つ
カメラなんか存在しないのである。
それに師匠から「それだけシステム揃えたのに、勿体無いし、
あのカメラの良さは まだまだ奥が深いから 絶対後悔するので
手放さないほうが良いよ。」と言われてしまったのである。
合わない人には 最初から合わないそうで、合う人には とことん
合うそうである。何人かのプロは ちゃんと仕事で使っている。
合うか合わないかは、早期に分かるそうである。実際にマジで
使い始められる人は、安心してハマッて良いそうである。
どうもマミヤ6の出動回数は低い。それは P6も 相当 御手軽に
持ち運べてしまうからだ。先日の合宿のように、65/2.8 や 120/2.8
だけでなく 180/2.8だって 御散歩レンズになってしまう。
マミヤ6の150mmは 使い難いし、150/4 じゃ ボケを活かす写真
には使いにくい。
そう言えば、かつてP6を2台も通販で中古で買った(しかも
2台とも故障していた!)石井さんは、一度は それらを手放し
マミヤ6MFを買った。しかし、我々の合宿中に また買った。
今度は 65/2.8(最近はレアになってきた)付きで 5万円程度
だったらしいので、結構 程度の良いものかも知れない。
# 米国では、東モノは 目茶苦茶 安いのです。
そう言えば、、、
アメリカが Distagon 50/4 for Hassy で地球を撮影したとき、
ソビエトは Flektogon 50/4 for Pentacon6 で地球を撮影した。
中判用レンズにおいても 東西Zeissは空の上で戦っていたのである。
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吉田幸司 Dr.Eng. 1960.03.26生♂ Rh+O (株)ニコン
e-mail:yd@nikongw.nikon.co.jp 半導体露光装置第3設計部
tel:03-3773-8502 第3システムGr.
fax:03-3775-9042 知能システムR&D室