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[nikomat:11365] [-b/w][D76]D76 no nazo



長文堂です。

D76を調べていたら謎に直面したのでお教え下さいませ。

1)調合順序の謎
D76は代表的なMQ(メトール・ハイドロキノン)現像液です。
レシピも発表されております。
レシピどおりに単薬で作る場合、混ぜる順番を間違えるとひどい
目に遭います。メトールと亜硫酸ソーダの順番を逆にすると溶け
ません。丹後屋旦那が証言してくれているとおり、昔のコダック
純正缶入りD76は2薬に分かれていて”溶かす順番を間違えて
はいけません”と明記されていました。

#若き日の長文堂は、逆にやって貴重なD76をダメにしたこと
#がある。必死に液を攪拌しても全然溶けなかった。
#単薬でやるようになってから訳がわかった。

ところが、現在販売されているD76は一剤です。どうなったの
でしょうか? 



2)処理本数の謎
文献に出ているD76処方では、1リットルあたり135フィル
ムを8本処理できるようです。ごく普通の4本用ステンレスタン
クは1/4ガロン(950cc)弱の液を使うので、続けて2回
処理すれば(4本×2=8本)寿命になります。
よく行われるD76の1:1希釈だと1リットルの原液が2リッ
トルの使用液になりますが、使い捨てですから8本処理できる勘
定になります。

ところが、現行のD76粉末の袋には1/2ガロンで8本で寿命
と明記してあります。上記のタンクの容量は1/4ガロンですか
ら4本で寿命がきます。つまり原液でも一回使ったらオシマイで
す。
これを1:1希釈すると、4本タンク中の1/4ガロンの使用液
には原液1/8ガロン、つまり2本分の処理能力しかはいってい
ません。これで4本現像できるなら1/2ガロンの原液を希釈す
れば16本いけます、ということになり、丸儲けです?

# これぞ ”水増し”!

もし、1/2ガロン(1.9リットル)を要求する4本タンクを
使っているなら勘定が合いますけど、こんなに液を喰うタンクは
市販されていません。

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長文堂の悩み:

・)現行のD76はオリジナルD76じゃない。
・)特性は似ているが処理能力が相当劣る????
・)1:1希釈は想定されていない???????

でも、T−MAXの箱には”D76の1:1で何分”と書いてあ
った。でも、これで指定どおりの時間処理すると感度が約1/2
に落ちちゃうんですよ。ネオパンプレスト400でも同様。こっ
ちの感度が正しいなら、箱に書いてあるD76原液の処理時間で
は感度が倍になる。

原液を1/4ガロンでフィルム8本(4本×2回)を続けて処理
するとき、1回目が8分なら、2回目は10分やらないと同じネ
ガ濃度になりません。プラス2分で出来るんだから1/2ガロン
の処理能力が16本あるような気もする。

粉の重さを量ってみると、レシピの重さと現行一剤粉末の重さに
明らかな矛盾はないです。一寸ぐらい違うかもしれませんが。

昔の缶入りD76の特性を覚えている方、いらっしゃいますか?


古谷野 有@筑波大学低温センター
koyano@bk.tsukuba.ac.jp