[nikomat:13858] Re: [Lens mount] Screw mount (L, M-42)

[Tamotsu KOYANO <koyano@bukko.bk.tsukuba.ac.jp>]

ひうらさん＠京大：

>> Ｍ４２マウントって、どのあたりからネジが始まるって決まっ
>> ているの？　ついでに、Ｍ４２−＞Ｆというアダプター（レン
>> ズ無し、つまり∞が出ない）ってありましたっけ？
>
>ねじマウントの、停止位置が問題になってますけれど、
>ああいうのってかなり再現性出すのは難しいですよね・・・

そうなんですよ。

>というのが、ネジの始まる位置だけでなくって、ネジ山の形状とか
>細さ（に起因するガタ）によって、どこで止まるかが変わります
>よね。
>
>ライツではリファレンスになるボディマウントとかレンズマウント
>を用意しておいて時々校正すればいいかもしれませんが、もしも
>ライカ本体を購入してそれにピッタリのマウントを作ったとしても、
>ネジ山のプロファイルが違えば、別の個体にねじ込んだらぜんぜん
>だめ、ってことは有り得ますよね・・・

先般、私が書いた段取りではリファレンスになるネジ（治具）を
どこまで正確に作れるかがキーポイントになります。もちろん、
Ｌ社のレンズを治具にする手もあります（ネジがすり減っている
のはダメよ）。普通旋盤でねじを切るときに、ネジの始点を確定
するのは難しいです。ですから、適当な位置からネジを切り始め、
Ｌ社のレンズ（あるいは治具）をねじ込んだらレンズが正しい向
きになるようにフライス盤にセットしてＭマウントの爪を加工す
ると思います。

この段取りは一個一個手作りする場合です。ＮＣ機器で量産する
としたら話は別です。ＮＣ機器はパルスモーターで駆動してます
から、ＭＬリングの鍔、角度何度の所からネジを切り込む、と制
御できます。形状がミクロン単位で成形されているディスポーザ
ブルの刃物を使いますので寸法はピッタリです。旋盤とフライス
盤のあいのこみたいな機械を使うと思います。

が、、、、。刃物はすり減ります。すり減ると刃先の位置が狂う
のでネジの切り始めがずれると思います。刃物の取り付け位置が
ずれていると、これまたアウトです。プログラムが間違っていた
ら当然ダメです。ライツのネジを最初に計測すると思うのですが、
その時にチョンボがあると、これまたダメ。

たしかＬマウントって６０度ネジでピッチがインチ２５山だった
ような。ピッチ約１ミリ。これが１０度ずれたとして０.０２８
ミリです。薬包紙一枚の厚さ相当ですね。

角度をピッタリ合わせるのは大変なことがわかっていただけるで
しょうか。

古谷野 有＠筑波大学低温センター
koyano@bk.tsukuba.ac.jp