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[nikomat:14609] [Flush Spectra]



まごめ@黒い太陽教です。

しのじま@怪傑、張り幕王 さま:

2月6日の横浜mini-offで、黒い太陽教のご本尊写真をお披露目しました所、
張り幕王さまより質問が来ましたので、お答えします。

あのなかのスペクトル写真は(といっても、居た方じゃないとわからないね)
フラッシュスペクトルといって、名前の通り、短時間しか観測されません。
その写真からヘリウムが始めて発見されたので、有名です。太陽のギリシャ語
にちなんで、ヘリオス→ヘリウムになったのでした。

質問1:  なんで、皆既日蝕の時にしか写真が撮れないか?
答え:
        太陽の光球は液体なので、連続スペクトルです。 太陽の大気は
        気体なので、輝線スペクトルが出ます。
        ところが、光球のパワーの方が圧倒的にあるので、(露光量から
        概算しても、1万倍くらいかな?)普段は見ることが出来ません。
    皆既時には、月が太陽を隠しだして、光球は隠すが大気は隠さない
        そう言った一瞬(とはいっても、15秒はある)が2回在ります。
        皆既に入る前と終わる前です。
        この前後の30秒位が私の楽しみの一つです。

質問2:  なんで時間経過を追って、写真を撮るのか?
答え:
        太陽と月の見かけの速度差はしっかり計算されています。
        よって、フラッシュスペクトルが観察されている時間を計測する
        ことで、太陽大気の厚みや、詳しく言えば濃度分布がわかります。
        あの写真から、太陽大気厚は言われているように1000km位で
        在ると実感できました。(詳しくはやっていませんし、忘れた)

その他、プロミネンスにはHeが光っているのと光っていないのがあると
言われている(らしい)のですが、それも確認できました。

これで、ゆっくり眠れますか?   解決、張り幕王さま。
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