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[nikomat:16042] Re: How to clean the oil on an aperture ?



よしだ っす。

In message <199803170126.KAA01033@bukko.bk.tsukuba.ac.jp>
   "[nikomat:16038] Re: How to clean the oil on an aperture ?"
   "Tamotsu KOYANO <koyano@bk.tsukuba.ac.jp>" wrote:
 > 1)油ぬきに、アセトン+超音波洗浄 ではダメでしょうか?

レンズによっては、表面が低摩擦*塗装*であることもあるので、
基本的に 油抜きに アセトンは 使いません。
まして 超音波洗浄だと ヤバイです。

私も超音波洗浄器を持ってますが、基本的に外装部品(ダイヤル
とか)にしか使いません。アセトンは 接着部の溶解のときだけ。

 > 2)グリスが乾くということは、長年のうちに油分が揮発することですよね?
 >   レンズに油分が回るかも知れない。
 >   で、蒸気圧が非常に低いシリコングリス(いわゆる真空グリス)、ある
 >   いはフッ素油グリスを使ってはいけないんでしょうか?

メーカー純正OHだと、特にAFレンズの場合、どの部分に どの
グリスっつうのが明確に記されているはずで、そのようなグリスも
使っているはずです。

私の AF300/F4EDIF の 音が五月蝿い って言ったとき、そのような
ことを SCで 聞きました。
「この部分は油が廻っちゃうので、粘性のあるグリスを少量という
  設計指示だったのだけど、それでも たまに油が廻っちゃうので、
  乾燥グリスを 面相筆で 塗るように 設計指示が 変更されたんだ」
って。

そのぶん、音が出る(粘性グリスの粘性による 歯車の歯の打音の緩衝
作用が無い)のであり、不具合では無いって。

 > 4)同様に、オイルとしてシリコンオイルはいかがでしょうか?
 >   (DPのオイル)

どこに使うか? です。
シリコン系だと、オイルの せん断力 に 応じて 粘性が変わります
(と、機械系の学生は習っている)から、高速に動く処では 動いた
ときのみ粘性が高まるので 使い難いのでは ないでしょうか?

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ちなみに、メーカーの設計部門では 世に沢山ある グリスや 接着材の
殆どを把握しており、どのメーカーの何というグリスや接着剤を使う
べきかを 一個所 一個所 きちんと 図面に指示します。
そして、もし それで 不具合(油廻りなど)が出たりすれば、グリスや
接着剤の図面指示を随時 変えます。
これは、自動車でも レンズでも 機械部品なら 皆 どこのメーカーでも
そうでしょう。
もちろん、グリスや接着剤の新製品に対しては、そのメーカー毎の
充分なテストをやったうえで 用いられます。

# 私も、かつて、数種の グリスや 接着剤のテストをやったことがある。


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Koji YOSHIDA    Dr.Eng.     <yd@nikongw.nikon.co.jp>
 3-3rd System Designing Sect., IC Equipment Div., Nikon Corp.
 1-6-3 Nishi-Ooi, Shinagawa-ku, Tokyo 140-8601 JAPAN
 << phone(direct-in): +81-3-3773-8502 >>