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[nikomat:19660] Re: good macro lens



ひうら@きょうだいです。

> > 105mm で言えば Ai は単体で 1/2 倍までで、エクステンション
> > を使えば等倍まで行きます。ただし 1/2 倍をちょっと越えた
> > あたりを撮ろうとすると、レンズ自体は無限遠付近のセッティング
> > になるので像が甘くなります(説明書に明記されている。
> > レンズにもお薦め絞り値が書いてある)
> 	:
> >   28/2.8 なら近接性能がよいので、レンズそのものを繰り出した
> >   状態(近接補正が効いている状態)にすれば拡大撮影域でも
> >   綺麗に撮れます。
> 
> 接写をするには、ベローズや接写リング、リバースリングを使う時でも、近距
> 離補正の入ったレンズでは繰り出した状態にして、補正を効かせた方がよいと
> いうことでしょうか?

はい、だから Ai105mm Micro は等倍まで行けるリングが存在は
しますが、こまめに短いリングを使った方がよい像が得られる
ということが説明書に書いてあります。

説明書では、「複写撮影の場合」という項目が、「接写撮影の場合」
という項目と別になっていまして、

「複写撮影では、一般の接写撮影に比べ、より高い光学性能が要求され
  ます。1:2 以上の倍率で複写を行うには、PK-11, PK-12, PK-13, PN-11
  の接写リングのうち、近距離補正機構を十分に作用させるために、
  必要最低限の薄いリングを用い、距離リングを出来る限り至近距離方向へ
  回転させるような使用法をとってください。」

だそうです。

レンズを見ると、推奨絞り値が

倍率              推奨絞り値
1/2   - 1/1.6     F11 -F32
1/1.6 - 1/1.3     F5.6-F32
1/1.3 - 1/1       F4 - F32
1/1   - 1/0.88    F2.8-F32

ということで、倍率が上がると逆に許容される絞り値が広がる
ことが分かります。

またリバースリングやベローズの説明書にも、近距離補正
タイプのレンズを使うときは繰り出し位置にするように
書いてあったと思います。

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マクロレンズには二種類あって、第一のタイプは、そもそもの
レンズの構成により、撮影倍率によって収差変動が少ないタイプ。
対称型などはそうですね。

もうひとつは近距離補正タイプですけど、これは実はべローズ・
リング系にはあまりよくない。ということが言えると思います。
でも、望遠系はどうしようもないです。

その点 55mm/2.8 などは近距離補正はあるけど、比較的前者に
近いのではないかな。

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倪さん:
> わたしもいままで接写リングを付ければ等倍になると思っていましたが、
> きのうカタログを調べたら最大倍率が 1/0.88 であると書いてあります。
> Ai55、Ai200は 1/1 ですけど。どういうことでしょうね。

普通、無限遠から1/2 倍までの繰出し量と、1/2 から等倍までの
繰出し量は等しくなるので、リングの厚みをこの量にして
上記のような条件をつくるのですけれど、

このレンズ、Ai 105/2.8 の場合は近距離補正機構によって、
繰り出し時に焦点距離が大きく変化し 82mm になるので、
これが影響しているのではないかと。

・・と計算をはじめる。
105mm レンズを 1/2 倍まで繰り出すには、52.5mm 繰り出す
必要があります。つまり専用リング PN-11Ring の厚みは
52.5mm のはず。

1/105 = 1/2x + 1/x   (x: 主点 - 像面間隔)
x = 157.5    繰出し量 = 157.5 - 105 = 52.5 [mm]

一方、82mm レンズを 1/2 倍まで繰り出すには、繰出し量が
41mm です。つまり、105mm レンズ単体で 1/2 倍の撮影を
しているときは 82m レンズを 41mm 繰り出したレンズ系と
いうわけです。

1/82 = 1/2y + 1/y (y: 主点 - 像面間隔)
y = 123      繰出し量 123 - 82 = 41[mm]

これに PN-11 をつけると、繰出し量は
合計 41 + 52.5 = 93.5mm です。これを使って倍率を
計算すると、おお 1:0.877 倍と出ました。 (^^/

1/82 = 1/z + 1/(93.5 + 82)   (z: ワーキングディスタンス)
z = 153.9 [mm]

倍率 = (93.5 + 82) / z = 1/0.877

という計算です。

#焦点距離が変わるので実は実験にはあまり都合がよくなかった・・

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ちなみにベローズ PB-6 には、各レンズを用いたときに
どのあたりの絞り値で最良の像になるのか書いてあります。

28/2.8 は「絞るほどよくなる」だったなぁ。
24mm 系や 35mm 系の逆向き装着は「F8 が最良」になってます。
24/2.8 もよいかも。

では。