[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

[nikomat:23905] Re: [yota] Re: [shoot technic]bure



丹後屋す

齊藤[23904]さん
> 89年くらいから、自分のポストしたものは大体
> とってありますよ。 今検索したら89年は、fj.rec.music ばっかりでした。
> で、みんなで fj.rec.music.progressive をつくったのでした。
私の所の環境整備はちょっと遅くて、
(最初は部署ごとに興味をもった人間が整備していった)
fjも初めは読むことしか出来なかった。

> いや、わたし、タクマーかな? とは思ったんですよ。
> でも、悔しいかな、タクマーの 28mm の f 値を
> 覚えていなかったんです。 くやしいー ^_^;
ここはここで興味深い。どうして、takmarと思われましたか?

> まあ、カメラを買うのにまずフードからの人もいますし :)
> PB−4を買うのにまずビゾフレックスの ほぼ無関係の
> アダプターを買っちゃう奴もいるし…人間いろいろですね…^_^;
引き伸ばしレンズから、と言う人も。
挫折したみたいですけど。

> ******
> Message-ID がついてなくって悔しいけど(とっておく様に
> 設定していなかった 痛恨です) これが私の
> fj.rec.photo デビューです。

以下は、私のfj.rec.photoデビューです。
期せずして二人ともライカM3が最初の話題になってますね。

MLの最初の頃の文体とあまり変わってないです。時間的にも一年と離れていない。
今のとは大違いの文体です。
今なら内容も含めて、もっと違ったことを書いているに違いない。

From sato@cyg.fuji-ric.co.jp Tue Nov 29 10:11:23 1994
Path: cyg!lynx!sato
From: sato@cyg.fuji-ric.co.jp (SATO yoshiyuki)
Newsgroups: fj.rec.photo
Subject: Re: Question REICA's CAMERA
Date: 28 Nov 94 21:04:10
Organization: Fuji Research Institute Corporation, Tokyo, Japan
Lines: 99
Distribution: fj
Message-ID: <3bcgvq$kak@lynx.cyg.fuji-ric.co.jp>
References: <1478@heart.swe.ogis-ri.co.jp>
Reply-To: sato@cyg.fuji-ric.co.jp
NNTP-Posting-Host: lynx.cyg.fuji-ric.co.jp
In-reply-to: shimada@swe.ogis-ri.co.jp's message of 24 Nov 94 18:26:18 JST

佐藤@富士総合研究所と申します。

  数あるM型ライカのなかでM3型を一際特徴づけているのは距離計ファインダーの
構造を逐いては無いように思います。
  M3の場合、距離計ファインダーブロックは、そこを通る光線が基本的に撮影レン
ズ光軸に直角もしくは平行になるように設計されているようで、距離計可動像とファ
インダー像との相対位置が、接眼レンズを覗く瞳位置に影響をうけません。
  従って、カメラ保持の態勢にかかわらず、正確な距離合わせを行なうことができま
す。M2型以降のM型ライカの距離計ファインダーは、基本構造がM2のそれを踏襲
していますから、距離を合わせたつもりになっても、瞳を僅かにずらすと2重像の合
致が崩れる場合があります。M4−2型以降は、とくにそれがひどいようです。
  更に、撮影視野枠の照明光路のせいで、逆光気味で使用している時など、距離計像
に迷光が重なって見難くなる場合もあります。M4−2など、要するにライツ社の体
制がおかしくなってからのM型に共通の傾向のようです。
  M3の場合、初期の70万台では、レンズを外したとき構造上光線洩れをおこす確
率が高いそうです。
  遮光板を取り付け加工することで問題なくなるとはいうのですが・・・(加工賃は
高そうです)。
  シャッター系列の問題は、一部の区間を除いて中間値が使えますので、MCメータ
ーを装着すれば、実用上無視できる筈なのですが、ここは露出計の経年劣化を考慮し
て、比較的最近のMCメーターが使える、倍数系列式が便利かもしれません。

  私見ですが、M3の場合スペックのマイナーチェンジは、使い勝手にそう重要な影
響は与えていないのではないかと思います。むしろ、製品としての安定度から見て、
日本製高級一眼レフが追い上げを始める直前の1960年代初期、最もライツ社の体
力が充実していた頃のもの(90万台から110万台の間)が安心して使えるのでは
ないかと思います。勿論、販売店を選んでですが(銀座一丁目の店、日暮里の店など
は、高いけれど、結局オーバーホールをしてしまうことになるのを考えればお勧めで
しょう)。

  どこで購入するにしても、見るべきところを列挙します。

  軍艦部プレートの平面性。(すり傷は気にしない)
  縁(ボディー嶺線)のへこみ。
  グッタペルカの一様性。
  
  ボディー外面に露出しているネジの頭(10個前後あります)。
  セルフタイマーと視野枠セレクタレバーのカニメも傷み具合。
  底ブタをあけて見えるボディー底の飾り板を止めているネジ(4個)の頭。
  巻き上げスプールを引き抜いて、撮影コマ数計の自動復元機能のスムーズさ。
  フィルムプレッシャープレートの傷と押えバネの具合。
  ボディーのプレッシャープレートのへりが当る部分の毛糸状の遮光部材の傷み具合。
  裏ブタの貫抜きをはずして、回転当りに貼ってある遮光部材(布状)の傷み具合。
  
  シャッターダイヤルの巻き上げレバーが当る部分の傷(フィルムを巻き上げてから
  乱暴に巻き上げレバーを戻すと(指を離すと)、バチーンと当ります)。無論、
  前の持ち主の常用シャーッタースピードにセットした時の傷が最も深い。これが、
  ストロボの所の時は、要注意(スタジオプロが酷使したものかもしれない)。

  シャッター幕のチェック(布目とゴム目の向きを何台かで比べる)。
  レンズを外し、明るい方向へ向けて、ピンホールの有無をチェック。
                                   (レリーズの前と後と)
  各シャッター秒時のチェック。
      高速の場合は、暗いなりに、一様の明るさで向こうがみえるかどうか。
      秒時の変化に応じて、それなりに明るく(暗く)なるか。
      後幕のバウンドの有無(アパチュアーへりに明るい線が見える)。
      低速の場合は、感覚的に倍倍になっているかどうか。
      1秒から、1/8秒の場合、スローガバナーの作動音が一様かどうか。

      特に、1秒の時、1秒経過前に、後幕が、フィルムアパチュアに姿をみせ
      ないかどうか

      更に、後幕の走行後、設定した秒時とほぼ同じ長さで、チリチリと後引き
      音が、滑らかにに続くかどうか。
      
      1/15から1/60の間の音は何台かの比較をしてみること。
      X接点の検査。

  接眼レンズの金属枠に、とくに酷い擦り傷がないかどうか。(素人が、ペンチで
  コジッタ跡)
  ファインダーブロックの接合部の傷(バルサムのひび割れ)の有無。
  クモリはケースバイケース(何台か比べて、酷いのは諦める)。
  接眼部を明るい方にむけて、正面から距離計窓をチェック。プリズムの銀剥がれ。

  ファインダーを覗いてみて、スッキリみえるかどうか。
  視野枠セレクターレバーを動かして、それぞれが、スムーズに変化するかどうか。
  ファインダー像と距離計像が同一距離に見えているかどうか。(何となく分かる)
  距離計像の上下のズレは気にしない。

  レンズマウントのトメネジ(4本)の頭。
  レンズマウントの12時の位置の飾りネジの詰めものの有無(ネジの頭が見えてい
  たら、その後の何がしかの出費は覚悟する)
  
  同時代のMマウントのレンズを取り付けて、ガタがないかどうか。(国産のM−L
  リングでは、チェックにならない)

  何本かのライツの50ミリレンズで∞チェック。(M4−2以降では∞時の2重像
  の合致は望めないみたいです)

  ある距離を定め、遠距離側から静かにヘリコイドを繰り出していって2重像合致の
  指示距離と近距離側からヘリコイドを繰り入れた時の同じ指示距離が得られるかど
  うかのチェック。
 (背景とのコントラスト比の高い細いものでする。2〜3メートル付 近で、数ミリ
   を弁別します。)

   思いつくままに、書きましたが、参考になれば幸いです。  
--
                                   佐藤能行(SATO Yoshiyuki)
                                   株式会社 富士総合研究所 研究開発第2部