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[nikomat:24231] Nejikomi - P6 Sonnar 180mm



飯坂@MS証券です。

ある眠れない夜、「えいやっ」という気持ちで絞り羽根が動かなくなってしまっ
たP6用Sonnar 180mmの修理に取り掛かりました。数ヶ月放置してあったので症状
はかなり悪化していました。

まず最初にマウントを外し、そして絞りリング、後群、自動絞り連動部、近距離
絞り補正機構を順に外したら、うまく絞りの機構を分解せずにガスライター液に
つけられるようになったのでしばらく浸しました。するとしばらくすると付着し
たねばねばが取れて自然に開放でスタックしていた羽根が絞られてきました。こ
の時点で恐る恐る絞り機構をカシャカシャ動かし、機構部の汚れを落としまし
た。最初の10回ほどは液が乾燥してくると動かなくなってきたのですが、「浸
す、動かす」を10分ほど続けるとごく自然に作動するようになりました。念の
ためこの作業を30分ほど繰り返し、液も取り替えながら奇麗にしました。

こんどは残留しているであろう見えない汚れを落とすためにスポイトでライター
液を羽根と羽根の間などに流しました。奇麗になったのでここで一旦乾燥させて
みる。すると羽根にうっすら何かが着いているようなので(固形物は見られなか
った)今度は綿棒で羽根の両面をレンズクリーナー(Olympus)を使って洗浄。今
度は見違えるように奇麗になりました。ねばねばが残っていない事を確認するた
めにそのまま完全に乾燥させました。まったく抵抗なく動くようになったのでそ
のまま組上げました。絞り設定カムなどは弄っていないので調整部分も無いだろ
うと判断し、分解手順の逆で組上げました。修理後2週間ほど経っていますが今
のところスムーズに動いています。絞り補正も正常に作動。あれだけ単純な機構
であれだけ賢い事をしているのは脱帽です。

ところで、どこの油が回ってきたのかを調べてみますと、どうやら絞り込みレバ
ーから油かグリスが差されていた所からの様です。Jessop'sで購入したときには
気がつきませんでした。

しかし吉田師匠も前におっしゃっていましたが分解組上げ楽なように簡素な構造
になっていますね。こう言う設計思想は好感が持てます。

それでは、また。
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