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[nikomat:26173] Re: AiAF20-35mm F2.8D



ひうら@きょうだいです。

>  どうも西野です。 早速HP見ました。
> もの凄く恥ずかしい質問かもしれませんがMTFのグラフの
> 見方をお教え頂けないでしょうか? いまいち見方が良く解
> りません。 お手数かけますがご教授お願いします。

いえいえ、結構ややこしいもんです。

簡単には・・線が上の方に寄っているほど、いいレンズです。
(おいおい。)

もうちょっと詳しく説明すると・・MTF グラフは、シマシマの
被写体を撮影したとき、そのシマシマのコントラストがどれぐらい
落ちるか・・・をグラフにしたようなものです。グラフの線が
上の方に来ていると、ほぼ完全にシマシマが再現できている
ことを示します。グラフが下がってくると、白と黒が淡くなって
きていることを示し、0%だと、全く灰色になってしまっている
ということになります。

で、グラフの左右は、画面上の位置を示します。左端が画面の
中央で、右端が画面の隅のところです。
レンズは丸いので、画面の隅は、理論的には、どこも同じ画質
です。同様に、画面中央から同じ距離にある点では、画質が
同じになるはずです。ですから、グラフの横軸に、画面の中央
からの距離を取って、縦軸に、コントラストを取ります。
グラフでは、たいていのレンズで、右の方が、左よりも線が
下がっていますが、これは やはり画面の隅では画質が悪い
ということになります。グラフの線が真横に走っているような
レンズは、画面全体が均等な画質だということが言えると思います。

で、線が、3本づつありますが、これがそれぞれ、フィルム上で
1mm あたりのシマシマの本数を示します。上から順に、1mm あたり
10本、20本、40本に対応しています。つまり、細かいシマシマ
ほど、コントラストが低下しやすいわけですね。

良く見ると実線と点線の2本づつ線がありますが、これは、
このシマシマの向きを表しています。ただし、レンズは丸いので、
単に縦縞、横縞ではなくて、画面の中央からの関係で表します。
画面の中央から、画面上のある点へ線を引いたとき(放射方向に
線を引いたとき)、この線に平行なシマシマで調べたのが、
実線のグラフです。また、この放射状の線に直角な方向のシマシマで
調べたのが、点線のほうです。画面中央では、こういう差がなく、
どの方向のシマシマでも画質が等しいので、点線と実線が一致します。

特に望遠レンズでは、点線のグラフが実線のグラフより、画面の端で
悪くなっているものが多いですが、これは、倍率色収差という現象に
よって、カラー各色の画像の大きさが微妙にずれて、画面の隅では
放射方向に画像がぶれたような感じになるのが原因のことが多い
ようです。

でも、注意しないと行けないのは、この MTF では、レンズの性能の
ホンの一端しかわからないということです。
実際の撮影で当てはまるのは、無限遠の遠景を撮影したときや、
ビルの壁面を直角方向から撮影したような場合ですね。つまり、
平面と見なせる対象でしかテストしていないわけです。

被写体はたいてい立体物ですが、このようなときにどのような
描写になるのかは、これだけではわかりません。

例えば、像面湾曲という収差があると、MTF は非常に悪く
なりますが、立体物を撮影した場合は全く問題ではありません。

また、広角レンズでは、近接で像面湾曲を補正すると、無限遠では
悪くなります。ですから、MTF はよくないけど、文献やポスターを
複写したときはバッチリというレンズも有り得ます。
このように、近接撮影時の性能も、MTF ではわかりません。

> やはりこのレンズ使っている人は少ないのでしょうか?

やはり値段が・・・

ニコンは単焦点の広角もよく揃っているので、あまり買う人が
少ないのかも。キヤノンとかは、広角ズームも良く売れている
ようですが・・

では