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[nikomat 307] Re: お気に入りのレンズ
ひうら@きょうだいです。
東京方面に向かう車中で書いていました。
が、送信を忘れていました。
まごめさん:
> > > 余談:1次元レンズの話しをしましたが、瞳が四角形ならSincになります。
> > > つまり、レンズの絞りが、円ではなくて四角のときです。
> > > この時、Reyleighなら 1.00 っす。
> >
> > 絞りが四角形なだけで sinc になります??
>
> フーリエ光学っちゅうのを勉強すると判りますが、レンズはフーリエ変換素子
> なんです。
> よって、絞りが四角だと点像はそのフーリエ変換だから、Sincになります。
二次元ですから、正確にはx軸方向とy軸方向の Sinc の畳み込みに
なりますね。ですから、解像度限界は 2点光源がちょうど楯や横に
並んだ点同士の場合と、斜めに並んだ場合とで異なってきます。
真横に並んだときがちょうど馬込さんがおっしゃるとおり 1.00
ぴったりになります。
よく似た式展開は、画像処理で出てきます。CCD カメラで撮影した画像を
考えるとき、画素の形が正方形で透き間がないと仮定すると、その正方形
内部の光を積分しているわけです(つまり、正方形のサンプリングが
されているということになります)。
で、このカメラで撮影した画像をフーリエ変換すると、被写体のフーリエ
変換像が得られますが、このとき CCD の画素の大きさによる解像度の
低下を考えるときに、この Sinc が出てきます。
当然、すそ野がきれいな(単調な)関数ではないので、写らないはずの
細かさのしま模様などが写ってしまったりします。エリアシングですね。
で、ニコンのデジカメは、CCD の前に光学ローパスフィルタを入れて
この問題を解決している、と。基本的なことですがすばらしいです。
CCD に写らないほど細かいモアレの写真を複写したりすると差が
あるでしょうねぇ。(特に撮影レンズの性能がいいときは顕著でしょう)
> スーパーアンギュロンってそういえば触ったことないっす。4枚だったんすか?
> 「猫飲め」はすごすぎます、「猫の目」っすね。
> そうだす、方向によってちがうっす。
レンズが無収差と考えたとき、猫の目みたいに縦長の瞳形状だと、
横方向の解像度が下がりますね。実際には、こういう絞りを
使ったレンズは収差も大きいので、あまり問題がないかも
知れませんが・・海辺など、非常に明るいときなどに
瞳が小さくかつ細長くなったりすると、この「波動工学的性質」
が支配的になって、問題化することはあると思います。
(絞りを開けているときだと、少々猫の目になっても、開口そのものが
大きいのであまり問題にならないと思います)
逆にぼけについては、横方向のぼけが小さくなるので、縦じまの方が
横じまよりも被写界深度が深く見えるでしょう。収差の影響も横方向が
小さくなるはず。
> だから、ビグネッティングがひどいレンズは(1.1とかの開放)ではボケが
> ひしゃげて、ぐるぐるなんです。 まあ、コマ収差もうんと効いていますが。
ここは意見が異なるところです。
さっきも書きましたが、開放では、幾何学的収差の方が波動光学的な
解像度限界よりも支配的なので、けられによる解像度低下は無視できると
思います。収差の問題と、デフォーカス部の解像度が不均等になる
問題が大きいと思います。
「ぐるぐる」になるレンズでも、平面複写や無限遠景を撮影したら
それほどでなかったりします。
では
---- 日浦慎作 Shinsaku HIURA ----