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[nikomat 690] [-yota] Drivng west



長文堂でござい。

あけましておめでとうございます。今年は兄者の吉事を記念して
皆様のご精進がいっそう進むことを期待しております。

年末年始はボロ車を修理しながら運転してTexas州オースチンから
西海岸はロサンゼルスのディズニーランドまで往復6400キロ
走ってきました。
アメリカは本当に大きい。車にクルーズコントロールが付いてい
る理由が良くわかりました。スピード取り締まりを気にしていた
ら神経が持たない。レーダー探知機は州によっては違法。制限速
度(AZ,NM,NVなら120キロぐらい)を設定してボーっとしてい
るに限ります。

風景は色々でした。オースチンは森に埋もれていますが、同じテ
キサスでも西部に行くと木が無くなり、ニューメキシコ、アリゾ
ナ、ネバダは荒野、西部劇の世界です。山があっても木が一本も
生えておらず、岩が丸出しの所が多い。これらの地域では空の青
さが日本と全然違う。アンセル・アダムスの作品に赤フィルター
で空が真っ黒になっている写真がたくさんあります。筑波でやっ
ても空は灰色にしかならないのですが、ニューメキシコでポラロ
イドを引いてみたら見事に真っ黒でビックリしました。赤ではき
つすぎてオレンジか黄色ぐらいがよろしいようです。撮影フィル
ムと感度が違うポラを持ってきたのは失敗でした。
旅行記念に鉄道の線路内で撮影。レールが太く、間隔も広いこと
にビックリ。ディーゼルで架線がないから貨物列車はコンテナ2
段重ねで物凄くでかい。

アリゾナのツーソンにはCenter for Creative Photographyという、
アダムスやウエストンなどのネガ全てを保管しているヲタクの聖地
があり巡礼してきました。カリフォルニア南の砂漠ではカメラのソ
フトカバーが砂避けに非常に役に立ちました。
山岳地帯を超えてSan Diegoに至ると空の色が茶色くなります。層
を成すほどの強烈なスモッグです。車の排気ガスが山岳地帯に押
さえられて内陸に拡散せずに溜まっているようです。カリフォルニ
アの青空というけど、そりゃ沿岸部じゃないっす。西海岸の乾いた
空気、ともいうけどLAだって海の横だからかなり湿気ています。

#ニューメキシコ・アリゾナ・ネバダと比べれば何処でもhumidで
#すネ。

LAのハリウッドとディズニーランドを回った後はDeath Valleyに
進みました。谷底の川は塩水だった。一番熱いBad Waterという地
域でジョギングしている米人が居た。朝早く風が吹く前、足跡が
付く前にに砂丘で撮影。Death ValleyからGrand Canyonの途中に
Las Vegasがある。砂漠を走って夜になり、山を越えたら突如もの
すごい街明かり。世界中の人間をかき集める巨大な誘蛾灯です。
砂漠の中に都市を作るためGrand Canyonの一部を潰して1930年代に
巨大ダムを造ったそうな。

#cf. Life誌創刊号表紙 by Margaret Bourke-White

砂漠の中に突如出現するギャンブルと売春が合法の歓楽都市・Las 
Vegasをみて旧約聖書のソドムとゴモラを思い出した。聖書の故事
にのっとりLas Vegasを出るとき決して振り返らなかったので無事
戻れた(?)。

#ネバダ州は田舎町でもCasinoがある。Las Vegasの宿は金・土は
#割増料金です。

Grand Canyonはドライブルートから見る限りつまらない。何処か
ら見ても赤い岩の断崖絶壁で変化無し。しばらく滞在するかキャ
ンプ用品担いで谷底まで降りない限り面白い写真は撮れない。日
本では稀だと思うが、岩がレンガ色だから緑色のフィルターをお
薦めします。赤系しか持ってなかったので岩が真っ白になってし
まった。
一方、星空は絶景だった。標高2300メートル、視界を遮る物
は何もなく、人工灯火全くなし。円周魚眼を真上に向けたら凄か
っただろう。寒かったが空気は乾燥、雲一つ無し。地平線彼方の
岩山に金星が沈むとき、惑星の視直径を実感した。薄明が薄くな
るや天の川が見えだし、黄道光と天の川が西の空からV字型に立
ち上がる。まさにプラネタリウムだった。満月近かったので対日
照は見つからなかった。7x50双眼鏡で見たらアンドロメダ大星雲
がでかい、でかい。渦巻いて視野一杯に拡がる。ドライブルート
の駐車場からこの星空です。

#Grand Canyonでは開拓時代のSLが走っております。

−−−−−−

疲れきってオースチンに戻ったらコダック・レディロードホルダ
ーのトラブルでフィルムはほぼ全滅だった。出発前のテストでは
OKだったのだが殆どのコマが露光されていなかった。風景プロ
が使わない理由がわかった。残っているのはポラだけだった。~~:

軽量だから持っていったライカM6は砂漠でもディズニーランド
でも平然と映像を切り取っていった。
渡米後消費したフィルムの約9割がM6。今の私にカメラは一台、
と言われればM6にスミクロン35を選びます。


今年もカメラはM型です。


こやの長文堂