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[nikomat 1214] Re:Bessa-L
中島です.
At 10:53 99/01/28 +0900, Koji YOSHIDA wrote:
>(注)個々のレンズ位置を 微少に動かす 機構などが 鏡筒に含まれている
> 場合には 可能です。このような機構は ステッパーでは 使ってますが、
> 写真レンズでは 使えないでしょう。
>
>んで、こういう観点から見て、ネジの切り出し位置を制御する なんていう
>設計は「素人の設計」だと言えます。メカ設計者としては 一発で 失格です。
>メカ設計者の技量は、「製造し易さ&精度の良さ&許容公差の大きさ」の全て
>を満たす モノ を 設計できるか否か で 評価されますから。
すいません,そうすると私などは失格の部類です.
実際,殆どのヘリコイドや,M42マウントなどの位置決めを必要とするネジ部におい
ては,「ネジの切り合わせ」と呼ばれる設計,及び加工をします.これをしないと各
レンズの位置出しが出来ません.この方法は,吉田さんが言われているようなやり方
です.その上で,微調整代(間隔調整のためのワッシャや,リング等)をどこかに設
けて精度を出すのが,少なくともレンズ鏡筒設計では常套手段になっています.それ
で対応できない場合は現品合わせをします.殆どのレンズ鏡筒においてヘリコイド部
とレンズ室が別れているのは,この微調整代をどこかに設けるためなのです.
ただ,「ネジの切り出し位置を制御」するのではなく,「切ったネジに合わせて部品
を加工」するのが正しい表現です.治工具類の設計をきちんと考えて設計すれば,特
に難しい加工では有りません.面接触による位置出しは,基本的にはトルク管理,及
び計測治工具により実現します.位置固定は芋ネジや,ネジロックで行います.L39,
M42マウントの場合は「標準締めつけトルク」のような管理基準を設けているのでしょ
う.
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** (株)ニコン カメラ開発部 システム技術グループ 中島 聖生 **
** E-Mail :nakajima@nikongw.nikon.co.jp **