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[nikomat 13158] Re: 3/22 offline-meeting



長文堂でござい。
飯坂さんと丹後屋旦那のご回答の通りですが、ちょっと補足を。

松下さん:
> >  >MG印画紙はパンクロ印画紙に似て感光波長域が広いから
> >  >色収差を良く補正した引伸しレンズを使わないとピンぼけ
> >  >になります。”ダイクロイックの散光式引伸機だから粒子
> >  >が見えない(あるいは目立たない)”んではなくて単なる
> >  >伸ばしボケってのが実は多い。
> >  >号数紙なら波長域が狭いから青フィルターをかけたルーペ
> >  >でピントを出せばOKなんですけどね。
> >
> > 色収差を良く補正した引き伸ばしレンズとありますが、モノクロフィルム
> > に対してレンズの色収差はどのような影響を与えているのでしょうか?

モノクロとはいえパンクロであれば紫から赤までの光に感光して
黒くなります。モノクロネガでも、連続スペクトルの光源でパン
クロ感材に投射するとき、波長によって焦点位置が違ったら像は
ぼけてしまいます。ですから、

> > フィルムに当たる前の光源のスペクトルの広がりが問題だとすると、
> > フィルムに当たる前に群青のフィルターをつければ改善されるとか
> > (極限はレーザーとか?)あるのでしょうか?

ネガを単色光で照明する、あるいはネガから出た光を単色化(こ
んな事できるかなぁ?)して引伸しレンズに入れればOKです。
だが、これじゃ号数紙はともかくMG印画紙は使えないっす。

#収差を減らすためにステッパの光源はレーザーでしたよね? −>mgm師

もし単色レーザーで3原色揃えたとしても、光源の色を変えると
ピント位置がずれる。それをベローズの繰り出しで補正すると拡
大率が変わるから像がずれてしまう。そこまで面倒な事をするな
らアポレンズ買った方が早いっす。

#ここまでは私も検討したんです。はい。 ^^;;

> マルチグレード印画紙は長文堂師の指摘の通り、従来の白黒印画紙より感光波長
> 域が広くなっています。より、色収差の多い引き伸ばしレンズを使用すると粒子
> の切れが悪くなります。

号数紙はレギュラー感色性ですから紫から青までしか感じませんか
ら色収差の面では有利です。が、光源に使う白熱灯は色温度が低い
(赤っぽい)ので引伸しレンズに色収差があると目で出したピント
位置と印画紙が感じる波長域でのピント位置が違います。
んで、暗くなるけどルーペに青フィルターかけて印画紙が感じる波
長域でピントを出さないと微妙な伸ばしボケを食らいます。

> #私の63mmは色収差が多いことなんてないと思うのだが…個体差では?

かもしれません。
当時使っていた富士の引伸機の光源が赤っぽかったせいかもしれま
せんが、全紙拡大したら旦那に斬られてしまった。^^;;
小穴式ピントルーペで見ると、青フィルターの有無で私の63mmはピ
ンのズレがあります。ルーペのせいかもしれませんが、フィルター
なしだと粒子の切れが甘く感じます。絞りすぎると粒子の切れが悪
くなるが、焦点移動はほとんど無いと思いました。

今はライカ道の作法に従って、35ミリはフォコマートIcとフォコ
ターです。

> #点光源だったら話は別だけど。

これも試したんですが引伸しに使えるほどの輝度がある点光源を自
作するのはかなり難しい。コンデンサーレンズの案配も難しく、や
っぱりオパール電球の集散光式が無難だなぁ、と思いました。でも、
点光源もどきの粒子像を小穴式で見ると異様にギリギリ・ギラギラ
して、これはこれで魅力的でした。

#なぜ引伸し電球がクリアバルブでなくてのっぺりした白色なのか、
#ワット数のスタンプが普通の電球みたいに天辺に無いのかやって
#みてよ〜くわかった。

このあたりの理論的解説はmgm師にお任せします。

長文堂