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[nikomat 21705] visiting USA



高田@遊んでばかり です

アメリカに行っている間に、遊んだ話は沢山書いていたが、
仕事の話を何も書いてないではないかというお叱りのお言葉
をいただきました。先日文部科学省で、10分でわかる最近の
図書館事情という説明をしてきましたので、その骨子をこの
MLでも発表させていただきます。

#やはり遊んでばかりだったのか??

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在外研究員報告
アメリカの大学図書館事情から考える日本の大学図書館の将来像

筑波大学臨床医学系 助教授 高田 彰

 在外研究員としての調査研究の成果を報告する。
 報告内容の詳細は下記に掲載する計画である。

http://www.sakura.cc.tsukuba.ac.jp/~atakada/digitallib.html
(現時点では何も入ってませんのであしからず)

 派遣期間   平成13年3月22日より5月8日
 派遣先    米国 ピッツバーグ大学 他
 調査研究題目 電子図書館システムに関する調査研究


1.米国における図書館

・図書館のリニューアルが盛んに行われている。
 大学図書館のみならず公共図書館でも情報の電子化への対応を求められている。
 
2.米国における電子図書館システムの構築

・米国における電子図書館構築は基本的にプロジェクト型である。
 プロジェクトの資金提供元はNSFが中心であるが多様化している。 
 個人による寄付で実行されているプロジェクトもある。
 電子図書館の構築で得られた成果を事業化している大学図書館もある。
・国際的なジョイントプロジェクトが萌芽しつつある。
・データフォーマット等の標準化が求められている。
 メタ・データ(データのデータ)の標準化が重要な課題となっている。

3.図書館で電子化される資料

・各図書館が最もユニークであると考えられるものを電子化している。
・著作権の問題回避のため1923年以前の資料が電子化の対象となりやすい。
 歴史的な資料の電子化は電子博物館への方向性を示している。
・特定の個人の業績に焦点をあてて電子化している場合がある。
・電子化された資料の利用者は必ずしも明確ではない。
 
4.電子ジャーナル

・電子ジャーナルへの流れは急激に進行している。
・電子ジャーナルの購読に関して図書館と出版社の厳しい攻防がある。
・複数の図書館がグループを作り電子ジャーナルの購読に関する団体交渉を行う。 
・学者、学会側の電子ジャーナルに対する対応が注目される。
 電子ジャーナルのコンテンツは元々は学者側が作ったものである。

5.電子図書館の技術を使った教育・研究活動の支援

・電子メールによるレファレンスサービス
・リクエストされた資料の電子的な配信
 ILLで請求された資料の電子的な配信 
・eキャンパス化への支援
 シラバスを含めた教育用資料の電子化とその提供
 教員に対する電子化資料作成の技術的支援と作業環境提供

6.東アジア図書館

・東アジア図書館および日本人司書の存在と活動
 日本に対する理解を深めるための重要な前線地
・日本における電子図書館事業に関する情報提供の必要性

7.医学図書館

・医療の受け手側への情報提供の流れが加速
 患者・家族に対する情報提供を目的とした図書館の設置
 患者・家族に対する情報提供を目的とした情報の作成

8.日本における課題

・大学図書館の情報化推進
 図書館のみの努力では困難
 大学全体としての取り組みが不可欠
・eキャンパス化への支援体制の推進
 図書館が図書館内にとどまっていれば衰退する現実
・日本でプロジェト型の電子図書館構築は現実的な選択か?
 米国と日本の図書館の差はどこにあるのか?

 
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*高田  彰  Akira Takada  takada@ipe.tsukuba.ac.jp*
*筑波大学臨床医学系    筑波大学附属病院医療情報部*
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