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[nikomat 22135] Re: [0707OFF]report(I)



丹後屋す


光永さん:
> > 波乱もなく私の番となり、コンタックスのファインダーアタチメントを購入しました。
> http://www.cameraguild.co.jp/retinahouse/ZAIKO/000925ACC0049.jpg
> 
> これでしょうか。イコンマークと∞マークが見えます。
はい、これです。

> 
> > (只のマスクなんで、こんなのにそんな金を?、
> >  と知らない人には理解してもらえないだろうなぁ、、、、、)
> 
> ちがうのかな。
写真のイコンマークが刻印された箱がマスク部で、
手前向きの黒塗りの面に開けられた四角い切りぬきは
ファインダーの対物ガラスと同じ大きさになっています。
写真では見えない向こう側の側面にノブがあって、
それを回すと箱の中に寝ている135mmのマスクが起き上がり
正面(黒い面の反対側の面)の85mm用の切りぬき部に重なります。
この箱は、コンタックスIIA、IIIAのファインダーの対物側の縁にきっちり覆い被さります。
(ローライフレックスなどもそうなのですが、ボディについている一見飾りのような溝、額縁
 穴、突起のことごとくが、それぞれにアクセサリー装着のための仕掛だったりするのが
 楽しくもあり感心するところでもあります。)

写真左側の円筒部はファインダー接眼部を覆います。
実物を観察する前は、これの中は望遠鏡だと思っていたのですが、違ってました。
この円筒部の中には、(カメラに装着して普通に構えたときの位置で)左上から右下方向にスライド
する板が入っていて、板には小さな覗き穴が開けられてます。
infマークが刻まれた環を回すと穴の位置が動くことで、パララックスが補正されるのです。
つまり、箱のマスク部は、ファインダーのプリズムブロックから1cm程離れているので、
覗き穴がスライドすることでその穴に合わせた瞳に映る対物側マスク越の景色が移動する、
という仕掛です。

円筒部と箱部をつなぐ板はバネ材(多分鋼)で出来ていて、
カメラに装着した後はキッチリと押さえ込みます。

ただ一つお馬鹿なのは、ストラップの金具をつけるアイレット用に開けられた穴で、
このままでは着脱の都度ストラップを外さなければなりません。
つまり、これを付けたコンタックスボディーは、
実用の利便上は135mmあるいは85mm専用ボディとして使わざるを得ません。

この一点により、このアクセサリーは実用の道具を離れ、
頭の良いzeissikonが作った後世のカメラオタクが集めて楽しむ膨大なお宝の一つになりました。
というのは冗談として、
バルナックのライカもそうなのですが、
撮影現場でレンズを着脱するという考えはなかったのではないかしら?
バルナックのライカなんて、フィルムの入ったボディから
昼間レンズを外したら盛大にフィルムがカブってしまいます。
レンズをつけていたって、撮影しないときはレンズキャップをしておけ、というくらいです。
ボディとレンズは不離一体。
組み上げた後はめったに分解せずに使うもの、という発想だったんでしょうかね。
とすれば、コンタックスのこのアクセサリーも、
ボディを135/85専用にしてしまうという意図を完全に果たす素晴らしい道具、ということになります。

コンタックスにはこれとは別にアクセサリーシューに取りつける
実に見えの良いVIDOM風のファインダーが用意されてました。