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[nikomat 24453] Mad cow disease (was Typhoon attack)



>まごめです。
すぎやま@専門外だけどです

>古いメールの整理をまだやっています。

水草水槽には手を出しました?

>このプリオンてのは得体の知れない奴みたいなんですが、不思議な物ですね。
>新しい生命体なのかと、素人には思えてしまう。

体内で遺伝子の一部がその生き物の利益に反した振る舞いを示す現象は
知られており、それを説明する「利己的遺伝子」という概念があります。
プリオンは拡大解釈すれば同じことが遺伝子でなく蛋白質のレベルで起こっている
と見ることができます。
利己性が感じれるので生命体のように受け取るのは当然だと思います。

>
>  普通のタンパク質なら、胃・腸で消化吸収され、アミノ酸に分解されてから
>  人体の組織になるのでしたよね?
>  そのまま入っていくところが不気味ですね。

普通の蛋白質でもごく一部は消化されずに血中に吸収されるようですね。
子供は大人より消化能力が弱いので食物アレルギーになりやすいようですが、
消化されずに抗原が吸収されてしまうからだと思います。(素人推測)

調理しても失活しないので異常プリオンが普通の蛋白質よりも消化されにくい可能性 
もあります。


>
> > 検出は抗体検査を使っていると想像しますが、
> > 核酸がなく、PCRが使えないのが検査の信頼度を下げているのかもしれません。
>
>核酸がないとは、DNAがないってことですよね?
>どうやって増えていくのでしょう?
>そう言えば、ウイルスは自分のDNAを取り付いた細胞のDNAに組み込んで
>  増殖させるのでしたよね?

ウイルスはDNAかRNAから殖えて行きます。
プリオンは違います。
正常プリオンはもともと誰の体の中にもあるのでプリオン自体が感染したり、
殖えたりする必用はないのです。
正常プリオンは神経細胞の働きを助け、多分必須です。
異常プリオンは正常プリオンと同じ蛋白質ですが、
折り畳まれ方が違うのです。
どの蛋白質もアミノ酸の長い鎖ですが、
伸びた状態で機能するのではなく、複雑に折り畳まれています。
正常に機能するためには正しい折り畳まれ方をされなければいけません。
異常プリオンは折り畳まれ方が間違っていて、蓄積すると神経細胞を殺すのです。
脳内で異常蛋白質が蓄積する点ではアルツハイマー病に似ていると思います。
ただ、異常プリオンの恐いところは
正常なプリオンを異常にする触媒作用があることです。
従って、異常プリオンが稀に偶発的に出来たり、
食物経由で体に入ると、最初は少しづつ周囲のプリオンを異常にして行き、
時間が経過してその量がある閾値を超えると異常プリオンの割合が急増します。
他の蛋白質分子を折り畳む働きをする蛋白質は10年ほど前から知られており
シャペロンと呼ばれています。
しかし、こういうふうに異常蛋白質が同種の正常蛋白質の折り畳まれ方を異常化させ 
るような
現象はこれまでは知られていなかったと思います。

簡単にまとめると、プリオンはもともと普通に在り、体に必用です。
感染するのはプリオン自体でなく、異常な「状態」が感染するのです。

>うーーん、このへんの話はとっても面白いのですが、なかなか難しい。

誰もこんなモノを予想していなかったし、
数年前までプリオンの存在を受け入れなかった研究者が多かったと思います。

プリオン病は牛、羊、オオジカの他、
人喰い部族と低い頻度で普通の人でも突発的に起こります。
共食せず、肉食でなく、肉骨粉を食べる事のない羊、オオジカなどの草食動物での集 
団的感染がどうやって
起こるかは知りませんが、牛の小腸の肛門近くには感染組織があるようですので、
他の草食動物でも異常プリオン蛋白質が糞に混ざれば、その糞のついた餌(草)を食 
べた他の動物は
感染するかもしれません。全くの個人的推測ですので、あまり無責任なことを書いて 
はいけませんが、
牛の飼育農家に感染個体がいれば、肉骨粉を使っていなくとも他の個体に広がる可能 
性はあると考えられます。
そういう可能性を考慮した感染防止対策が取られているかどうかは知りません。
そういう個体が危険になるのは数年先ですので、
現時点でこれ以上の感染例が出なくとも何年間かは検査が手抜かりなく続けられるこ 
とを望みます。(無理でしょうね)



話しをカメラに戻して:
昨日(子供祭り)はF3+MD-4と20/3.5、35/1.4+フジのアクロスの組み合わせで使いま 
した。
最近はこれで園児のスナップを撮るのが好きです。