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[nikomat 24977] [Astronomy] Leonids (etc)
小林@蛇足モード です。
星見をされたことが無い(もしくは少ない)方に、ちょっと補足説明を
しておきましょう。順不同です。
1> 交通事故に注意。
流星見をするときの楽な姿勢としましては、寝そべるのが一番でしょう。
でも一般の人はそんなことしているとはまず思っていません。ここは
田んぼのなかのあぜ道だから車なんか入りこんでこないなんて思い込んで
いますと、とんでもない大事故にあってしまいます。
私の所属する天文同好会の後輩が、あぜ道で星見中に交通事故で死亡
しています。
自分が車で来たのなら他の人もそこに車でやってこれます。自分の
車を道の一方のブロックとして使い、他の側には停止表示板のような
ものを立てて、他車に注意を促しましょう。
また、自分も他の車のエンジン音が聞こえましたら、周囲に注意を
払いましょう。ジープタイプの車ですと、ちょっとした階段なんか
ものともせずに登ってきてしまいますよ。
2> 暗順応に30分必要。
目が暗さになれるのには約30分かかります。明るい室内からいきなり
暗い外へ出たのでは星を見るのは困難です。今回の流星のばあい、
2:30ころと3:19ころとにピークがあるとの予報がありますので、遅くとも
2:00には「配置」につくのが良いでしょう。
なにかの確認等に懐中電灯を点灯することもあるかもしれません。
赤い布等で減光しておきますと、暗順応するまでの時間を短縮できます。
3> フィルムはネガカラー。
ネガカラーを使うのがベターでしょう。ネガカラーではコニカ、
ポジカラーではコダックのに「星屋」からは人気があります。
そうそう、現像に出すときは「長巻指定」をお忘れなく。
#私がフジのをつかうのは入手や後処理が「楽」なため(苦笑)
4> 服装は耐寒仕様。
一番流星が多くなるころはもう冬の装備が必要な寒さとなります。
星見は運動量が少ないですから、くれぐれも寒さ対策に抜かりが無い
ように注意いたしましょう。頭、襟元、裾等から寒さが忍びこんで
きます。帽子、襟巻き、手袋(カメラ操作も考えますと厚手と薄手との
2枚を使い分けが有効)、裾を紐で縛る等の対策をしましょう。
段ボールも有効な寒さ対策品となります。
魔法瓶にお湯を用意しておきますと、暖かいココアやポタージュ
スープ等を簡単に得られて、生き返ります。コーヒーは眠気さまし
には有効ですが、トイレが近くなる傾向があるようです。
5> カメラ、レンズの設定。
AF、AEはほぼ無意味です。明るいうちに手動にセットしておきましょう。
レンズのピントリングは無限遠位置に、絞りは開放位置にテープ等で
固定しておいたほうが良いでしょう。
露出時間はいろいろな考えがあります。無難(?)な設定としましては、
4分露出1分休止(休止中にフィルム巻き上げ等を実施)というのが
あります。キッチンタイマー等を供用すれば忘れずに撮影できますし、
毎時00分05分..55分に露出を開始しますと、特別な流星をとらえられた
ときにデータを起こすのもたやすくなります。このやり方ですと
24枚撮りで2時間、36枚撮りで3時間撮影可能と、フィルムの準備も
簡単になります。
「痕(流星の出現跡に現れる光る雲状のもの)」を捉えるつもりでしたら、
ISO800クラスのフィルムと85mm1.8位のレンズを使い、4-8秒程度の露出を
かけると良い写真を得られることが多いようです。撮影時刻の記録が重要に
なりますので、秒単位の記録ができるデータバック使用かテープ等への
録音が望まれます。
もちろん「作品」としてならなんでもありです。
カメラの電池も耐寒準備が必要となることが多いものです。少なくとも
予備の電池は持参いたしましょう。
夜露対策も考慮したほうが良いかもしれません。ほのかに暖かさを
感じられるくらいに布等で温度調節をした懐炉(灰式がベター)をレンズの
下に紐等で取り付けると効果があります。
6> できればデータをとっておいてください。
どこで撮影したのか、もしカーナビがついている車でしたら、それで
現在位置の緯度、経度を得ておいてください。無いときでも、もう一度
撮影現場に案内できる程度は覚えておいてください。
撮影開始時刻や撮影方向(現地でこちらのあたりを狙ったでも可)も
覚えておいてください。
もしかしたらあなたの撮影した一コマが天文学上の重大な発見に
結びつくかもしれません。
アマチュアの観測が重要なデータの提供につながることが多いのも
流星観測なのです。
小林 時美 フジカラー現像所 (株)日本色彩 業務部
03-3724-1881
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