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[nikomat 28000] Re: Bird photography



ひうらっす.

あまり深入りするところではありませんが ^^;
ピンポイントで.

> > >但し,アクロマートということで,色収差もあるので,これとバランスして,
> > >うまく球面収差が色収差を隠してくれるかもしれません.
>
>どっちにしろ、ピンがぼけるかんじですね。色によって焦点が違う、画面の位置
>によって焦点が違う、っていうのが、色収差、球面収差ですよね。
>で、設計としては、当然トレードオフになるので、日浦さんのおっしゃることは
>よくわかりまへん。

高次色収差は普通にガラスの枚数を重ねていってもダメで,十分に
色収差を抑えるには,異常分散性を利用しないと取れません.

というわけで,EDとかそういうレンズでない限り,あまり色収差に差はなく,
むしろ長焦点構成の1群2枚は,望遠構成のレンズより色収差は少ない.

但し,面数が少ないため,十分な収差補正は不可能.(例えば単玉では
いくらがんばっても球面収差は補正不足にしかならない).
まあ,レンズが F6.8 と暗いし,画角も小さいので,問題ないと思うの
ですが,これより明るくしたり画角を広げられないと言う点から見ても
収差的にはそれほど余裕はないはず.

というわけで,色消し単玉は,より複雑な構成の望遠レンズに比べ,
色収差量に対し単色収差量が大きく,色収差が目立たない傾向にあるはずです.

逆に言えば,特殊なガラスを使わない限り色収差の存在は消しようがないため,
この程度の明るさ・画角のレンズであれば,レンズの枚数をいたずらに
増やしても,相対的に色収差が目立つようになるだけであまり意味はなく,
1群2枚でも,色収差に対してコンパラブルな収差補正となるということでしょう.

それと,1群2枚のレンズで言えば,色収差と球面収差はトレードオフで
あるとは必ずしも限りません.球面収差は,張り合わせた2枚のレンズの屈折率と,
3つの曲面の各カーブ・間隔で変化します.これを1群2枚のレンズで
最大限に改善します(限界はありますが).その後,1次色収差がなくなる
ように単にそれぞれのレンズの分散を決めるだけで1次の色収差は消えます.
現実には,選択可能なガラスは限られていますので,そううまくいく場合ばかり
とは限りませんが,必ずトレードオフとなるとは限らないということは
いえると思います.

・・と説明するとよいでしょうか.

よくある収差図(アサカメの診断室とか,その他の本に載っているもの)は,
単色の球面収差図しか載っていませんが,例えば「写真レンズの科学」という
教科書には,1つの図に各波長での球面収差図が重ねて書いてあります.
これを見ると分かりますが,実は,普通の標準レンズクラスでも,縦色収差量
は球面収差量とコンパラブルな程度で存在しており,単に単色の球面収差図
だけを見ても画面中心の画質は分からないことがよく分かります.

ツアイスのプラナー 50mm F1.4 は,この縦色収差と,球面収差をうまく
バランスさせた設計という点で特徴的であり,特許のクレームにも
挙げられているのだったと思います.

では