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[nikomat 31333] 修理地獄



丹後屋す

田中さん:
>今度は何やらかしたのでしょうか (・_・?)(引用一部改竄)

某カメラメーカーのサービスセンターに
某カメラの修理をしてくれと、
持ち込んだ人がいたと思ってください。
そのカメラ、1950年代に流行った
あるタイプのレンズシャッターカメラです。
交換レンズを買うよりは安いというので、
ライカタイプユーザーのサブカメラになったカメラ
の走りかな?
修理といっても調整に近かったのかも。
一応動いていたそうです。
レンズにはちょっとクモリがあったので
それの清掃もして欲しかった。
このメーカの50年代のレンズにはクモリ玉が多いので有名。

さあ、もうMLの猛者の皆さんにはこのカメラが何かはおわかりですね。
な〜んだ?

某カメラメーカーのSCは、その機種は古くて、もう技術者がいないので
その会社の修理認定を取っているある修理専門会社を紹介した、
と思ってください。
ま、素人でも、ちょっとカメラを知っている人なら、グリスアップして
レンズは吹いてみて綺麗になれば、ま、ラッキー、その程度には思うもの。
SCの係員はな〜んも疑わずそこを紹介したんでしょうね。
カメラのユーザは、メーカのSCでそう言われたら、
な〜んも疑わず持っていくよね。雑誌でも有名だし。

修理代金52,000円。カメラは戻ってきました。
修理伝票は、まんま、某カメラメーカーの伝票ですねえ。

#丹後屋は千里眼でそれを見たと思ってください。

レンズのクモリは、やってみたけど取れませんでした、ということでした。
巻き上げがゴリゴリと硬くなってました。
ユーザはどうしてゴリゴリなのか聞きますよね、普通。
で、聞きました。
何とかという溶剤で部品という部品を洗ったんだそうです。
で、このカメラはグリスはいらないタイプだ、ということで
アルミ材の部品が直に接するのでちょっと硬くなるのは仕方がない、
という説明が返ってきたそうです。
フィルムを一本入れて、巻き上げて何駒かが進んだところで
巻き上げ動作部は固着。当然。
しかも、シャッターが開いてないことが判りました。

で、その修理会社に再度もちこまれました。
巻き上げ動作部は動くようになって帰ってきましたが、やっぱりゴリゴリ。
しかも、巻き上げレバーの基部にある軸周りの部品には醜い傷がついてきました。
よーくみると、本来円の筈が、なんだか楕円ポクなってます。
固着したのを無理に回したんでしょうねえ。
シャッターは開くようになってきました。
でもメチャメチャ。
変なバネがビニール袋に入って添付されてきました。
開かなかったのはそのバネが折れていたからなんだそうです。
バネを交換したけど、部品代はサービスする、ということで、
うれしいなぁ。部品代がタダだ。
ビニールに入っているバネは、そのカメラを何台も修理した人でも
どこのバネかわからなかったそうです。
この修理会社、ついに存在しない部品まで作り出すようになったようです。
すごい技術力!!

で、別の修理業者に持ち込まれることになりました。
レンズは、止めリングを外して普通の無水アルコールとエーテルの混合液で
とても綺麗になりました。
あの最初の伝票の修理明細はなんだったんだろ?

巻き上げ動作部には適度な油分が差されました。
シャッターのバネは、正しい位置に掛け直されました。
間違った位置にあるとすぐ外れちゃうんだって。
見たこともないバネは、見世物小屋に転売されちゃうのかな、、、