[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

[nikomat 44317] RE: なんてこった



松下です。

Re: [nikomat 44292] On 2004.4.21, at 07:48 AM, YAMAGUCHI wrote:
> 私の場合、技術的に上手だった時期というのもないので、
> 落ちるような腕もなく気楽なものですが、
> 写真趣味の意味みたいなのは、考えますね。

そう、大義名分という被写体側よりの問題と、撮影する意義のような
自分側の問題とがあって、前者は美しいがゆえに撮影される美的権利
を有しているようなものが「ある」と考えてました。後者に対しての
それは「成長」という価値観だったように思います。

しかし、数年前に体を壊してから成長に対する意味が喪失したために
この世界を形作る森羅万象に正義として存在する進化への絶対礼賛の
観念が崩壊してしまいました。

つまり、技術や意識が成長することが趣味の根本的な柱という考えに
意味を見いだせなくなったのです。


> 昔は「撮りたいものがあるから撮る」
> 今は「(子供のイベントなど撮らなければいけないもの以外)何を撮りたいのか探す」
>  という感じでしょうか。
> この「昔」(20歳くらい)と「今」(38歳〜44歳)の間にかなりギャップがあるので、
> 自分も変わって当たり前ですが。

探求への欲求というのは、非常によいものだと思います。それは成長と
はまた違ったものでしょう。未知への希求、過程への価値づけというも
のが、今の自分にも必要なのかなと思います。それが、肩にのし掛かる
重みとなるのではなくて、子供の頃のような利害の無い無心な情熱とな
ってくれたら、その趣味人生は幸せかもしれない。

人間みな、寿命が尽きたら死ぬんだから成長に絶対価値を置くなんて、
やはりどうかしている。子供の頃に不思議に思った疑問「死ぬのになぜ
成長するのか」という問いにもっと深く踏み入ることで、生き方も違っ
た展開が出来るような気がする。

---
松下 健治
mail: kenjim@cam.hi-ho.ne.jp