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[nikomat:02818] Re: Lenses aperture and photo results



日浦です.

SATO Yoshiyuki さんが  8:30 PM 97.3.7 +0900ごろに
>> >    x/y =  d/l .............................................(7)
>
>これ奇麗な式ですねぇ。フィルム面上の長さと、そのものの長さが対称な式
>で表されていて。

なんといっても使いやすいのがいいです.この式から,フィルム面上の
対象の像の大きさ(y) と同じ大きさのボケ(x) をフィルム面上に作るには,
対象そのものの大きさ(l) と同じ有効径(d) のレンズを使えばよいという
ことですからね.

「ううむ・・バストアップで,この背景だと,最低でも 3cm ぐらいの
ボケがほしいなあ・・レンズは 180mm か・・
        180 / 30 = 6
じゃあ F5.6 にしよう」

と使ってます.人間の目と目の間隔が 60mm 程度であることなどを
用いると簡単に必要なF値が割り出せます.ただし無限遠のボケなの
で,実際はもう少し小さなボケになります.

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ちなみに,以前 [02801] で書いた,

>フィルム面上のボケの大きさ=被写体とボケの比率×倍率
>             =(焦点距離/F値)×(焦点距離/撮影距離)
>             =(焦点距離)^2 /(F値×撮影距離)

ですけれど,この式で「左辺」と,右辺の「撮影距離」を移項して入れ換えて,

撮影距離=(焦点距離)^2 /(F値×フィルム面上のボケの大きさ)

とすると,ある大きさのボケを無限遠の輝点から生じる時の撮影距離
が割り出されます.つまり,「フィル面上のボケの大きさ」に許容錯
乱円径(1/30mm)を代入すると,パンフォーカスに設定するときの撮影
距離が割り出せます(過焦点距離という.)
mm 単位になることに要注意ですね.

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>> >> ただし,レンズ繰り出しに伴う像倍率と有効F値の変化は無視する.
>>                      ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
>> ですが,これは何カ所かで用いましたレンズのF値,
>> 
>> d = f/F
>> 
>> ではなく,薄レンズの有効F値
>> 
>> d = b/F
>この式はどういう理屈からでてくるんですか?

移項した形式で書いてしまいました,有効F値とは

  F値 F  は F  = f/d  (d は薄レンズの有効径)
有効F値 F' は F' = b/d

となります(薄レンズの場合に限る.レトロフォーカスレンズなど
瞳倍率が1でない場合には異なる).

しかし良く見ると,今回の計算に有効F値は必要ないですね.

>     x = d*b/a .......... ..................................(4)

から

>     d*b/a =f/F * b/a ......................................(5)

の展開で,口径 d を単に f と F から計算しているだけすから.
ここでは有効F値は関係なく,単に幾何学的な置き換えだけですからね.

すみません.
         ---         日浦 慎作   Shinsaku HIURA        ---
         ---  大阪大学 基礎工学部 システム工学科 DC2   ---
         --- Dept. of Systems Engineering, Osaka UNIV. ---