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[nikomat:03256] Re: Micro Nikkor 55/3.5 I
馬込です。
>
>> > ホログラフィーの論文で読んだ。画像処理いるけど:-)
>>
>> いわゆる super resolution, 超解像ってやつですね。
>>
>> 口径は出来るだけ大きく取った方がいいんですけれど、へりまで同じ透過率
>> よりも、なだらかに落ちる方が波動光学的に素性がよいわけです。
>
>そうっす。平面波でない最適な直交規定とるっていうのがポイントだったよう
>な。
もっと単純に言うと、望遠鏡の瞳(写真レンズの絞りの位置)は先端です。
点像のプロフィルは瞳のフーリエ変換になっています。
よって、ガウス分布を瞳にすると、点像もガウスになる。するとガウスは
負が無いので、ボケが重なっても汚くない。
それが一つの手法です。
または、輪帯にする方法も合って、これのフーリエ変換(点像)は円形よりも
点像幅が小さい、しかしその分回りのリング強度が大きく像は汚くなります。
レフレンズのドーナッツボケはそれのデフォーカス像です。
>> そういえば、望遠鏡の解像度って、幾何光学的収差より、波動光学的収差の
>> ほうが大きそうですね。F値で言えばどれぐらいになるんでしょう?
>> たしか解像度は 1.22*(F値)*(波長) で決まりますから、絞っても F=60 か
>> F = 100 ぐらいが限界かなと言う気がします。
望遠鏡の解像度は上の式なのですが、実は大気の揺らぎがあって、口径15cm
以上あげても長時間露光では変わらないという事になっています。
じゃあ、なんで5mもの大望遠鏡を作るかと言うとそれは集光力が欲しいためです。
でも、大変もったいないので、大気揺らぎの時間的周波数以下で沢山写真をとって
それから像を出そうとした人がいます。
これは2重星の方位と分離角の検出に使われましたが、10年くらい前には、ミラなど
の超巨星の輝度分布測定も出来ています。(恒星はどんなに倍率をあげても円盤に
見えないと言うのは過去になった!)
ついでにニコンの入社試験をひとつ
「星野写真を撮るときに、ネガの濃さはレンズのFナンバーには関係しないんだよね」
と聞かれました。
>> いげたさんはホログラフィーですか。
馬込はホログラフィーもちょっとかじっております。
ではまた。
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馬込 伸貴 ∈ (株)ニコン 精機・開発推進室(大井です)
magome@nikongw.nikon.co.jp , IFOS = nba3194
ext.7321-4281, tel.03-3773-8502, fax.03-3775-9042