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[nikomat:03567] Re: About Film
まごめ@元EMです。
Tamotsu KOYANO さんが 17:27 97.5.22 +0900ごろに
「[nikomat:03563] Re: About Film」の件で:
>こやの@筑波大学です。
>ホログラフィックグレーティングって何ですか?
スペクトルを撮影するには大雑把、グレーティングとプリズムがあることは
ご存じと思います。それぞれ特徴がありますが、グレーティングの良いところは
撮影されたスペクトルの位置と波長がリニアな所です。よって後から何が撮れた
かを見る楽しみがあります。
さて、グレーティングの作り方にはいろいろありますが、1mmのなかに数100
から数千の平行等間隔な直線を引く必要があります。
これは大変! ニコンにはルーリングエンジンというグレーティング専用の刻線
機がありまして、ダイアモンドの刃で、金属に刻線していきます。
(これでニコンネタになった!)
こんな機械は我々にはいじらせてもらえません。そこで、もっとも簡単に平行等間
隔の線を引くのがホログラフィックグレーティングの技術です。
といっても非常に簡単で、レーザーの光を2光束干渉させ、そこにホログラフィック
用の写真乾板を置くだけです。
ホログラムをご存じでしたら、物体光と参照光を干渉させて、記録するのと同じです。
これをP型の先端につけ(ゼラチンホルダーにとりつけました)撮影です。
さて、設計ですが、ゼロ次(太陽そのものが写るフィルム上直径約5mm)
1次(スペクトル)全体がフィルムの長手に入ることを設定し、85本/mmに
決めました。
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| |
| |
| S )) ))) )| このような設計です。
| | Sは太陽(ゼロ次)
| | )は彩層の輝線です。
|_____________|
このように成るように光学系を組み干渉縞を乾板に記録し、現像・乾燥すればOK
です。(スペースの関係で詳しくはかけませんが)
先に平行等間隔と書きましたが、これはいろいろアイディア次第で面白いことも
可能です。(レンズのように収束も出来ます)
>P型が出た頃に高橋から発売された、レンズの前に付ける「対物プリズム」
>なる物が防湿箱の肥やしになっていますけど今でも価値があるんでしょうか?
>ます。暗線、輝線が写るようにするには何ミリぐらいのレンズに付ければ良
>いんでしょうか?
角度が判れば計算は出来ます。さらにガラスの材質が判ればもっと正確ですが。
価値があるか?と聞かれるとちょっと困ります。目的はスペクトル撮影でしょうか?
でも、輝線を撮るには大変かも?
ちょっと長くなりました。
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馬込 伸貴 ∈ (株)ニコン 精機・開発推進室(大井です)
magome@nikongw.nikon.co.jp , IFOS = nba3194
ext.7321-4281, tel.03-3773-8502, fax.03-3775-9042