[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

[nikomat:03887] Re: Nikkor VS Sonnar (5cm)



ひうら@きょうだいです。

昨晩、理論計算を検証してきました。

> ここで距離計は正しく 1m 先の点に合っているとし、目は正しい位置にあると
> します。ファインダ像と、ミラーで曲げられた可動像はそれぞれ目から 1m, 
> 1.06m の距離にあり、一致しています。このままカメラを固定し、目の位置を
> 右に 1cm ずらしたとすると、可動像はファインダ像に較べ、見掛け 0.6mm
> 動いたことになります。これは被写界深度の範囲内です。

対象は佐藤さんの訓練法にある放射状の線です。

カメラを三脚に据えて、極力目を正しい位置に置き、可動像の真ん中で距離を
合わせて距離計とカメラの向きを固定しました。そこから、カメラを動かさない
まま、目を陰るところまで右や左に移動しますと、(以下に書いたように、可動
像で見える範囲が移動するのですが)像の相対位置はほとんどずれませんでした
(僕の目の分解能以下)。目はせいぜい 3mm ぐらいしか動かせません。

> 次に、倍率について考えます。像の倍率は 1:1.06 です。50mm レンズ、1m
> では左右に 72cm 写ります。可動像の範囲を、ファインダのブライトフレー
> ム像の 1/8 の大きさとしますと、左右で 90mm です。可動像は 1.06倍
> だけ小さく写りますから、ファインダ像で左右 90mm の物体は、85mm に
> なって写ります。その差 5mm ですから、中央で(正しく)合わせた像は、
> 左右で見掛け 2.5mm ずれていることになります!被写界深度の倍近くです。
> しかし、実際には、可動像のはしっこで合わせることはないので、これ
> ほどはずれません。中央で合わせればよいわけです。

今度は、上の状況から、距離計を固定したまま、三脚ののパン軸方向のネジ
を緩めて、どれぐらい線がずれるかを試しました。真ん中で合わせてから、
左右にずらすと、可動像の端でそれぞれ 3mm づつぐらいずれることが分か
りました。

> つぎに、瞳の位置と、可動像の視野範囲について考えます。瞳はピンホー
> ルでパンフォーカスとし、可動像の範囲は測距窓によって決まるとします。
> また、目から第一のプリズムまでの距離を 2cm とすると、測距窓は目から
>  8cm 離れているので、窓幅は 7.2mm です。ということは、瞳が 3.6mm
> 左右に動いたとすると、元の光軸と平行な光軸はもはや測定距離窓の
> 端まできていることになります。この場合はこの光軸の上で像が一致しま
> すから、可動像の中心はすでにさきほどの倍率の効果でずれが発生して
> いるはずです。

これは上記に書いたように、目を陰りが発生するぐらい左右に動かすと、
それに伴って可動像の真ん中にあった物体の像が、可動像の端まで動い
てきます。(上記のように、像同士のずれは発生しません)。物体の像
が合致したまま端まで動いてきていますから、(倍率の効果で)可動像
の中央ではすでにずれが発生しています。

----
結論:
目の位置がずれると、それに伴って、正確に測距出来る可動像中の位置
が変わる。可動像の右端で正確に測距できる状況の時、左端で測距する
と被写界深度の数倍の誤差が発生する。通常違和感を感じない程度に目
を置き、可動像の中央付近で像を合致させると、誤差は被写界深度程度。

目の位置が上下にずれている場合は、像が上下にずれて見え、違和感を
感じる。また、斜線に合致させると誤差が発生する。左右にずれていた
ら、必ず誤差を生じる。

----
近接撮影時に、「どうも像が上下にずれているな」と、思ったら:
1. カメラの方向を上下に振って、二重像が一致するようにする。
2. この結果、可動像の端で像が一致した場合、目の位置が狂っている。
   目をスライドして、可動像の中央で正しく合致するようにすると、
   正しい目の位置になったことになる。

さらにいうと、像のずれから目の位置の上下を補正することはできま
す(佐藤さんの訓練法)が、左右は補正できません(距離計の調整で
キャンセル出来てしまう)。

しかし、ブライトフレームは目の位置に関わらず一定の位置にあり、
目の位置によって可動像の位置が変わるので、可動像がブライトフレー
ムの中央に来るようにすれば、目の位置は正しいことになると思います。

では。