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[nikomat:05303] Re: The aftermath of the first off-sitemeeting(Planar with the F mount)



まごめ@快睡室です。

>ひうら@きょうだいです。
>光学はかじったばかりなので、勉強させてください。

いやあ、こちらも自信ないところがありまして、・・・。

>実はチャートを CCD カメラで取ったデータがたくさん手元にあります。
>合焦と、その前後 1mm づつ像面をずらしたときの前後ボケのセットを、
>開放と F2.8 について一通り試したものです。大したデータではない
>ですが・・・
>
>この結果では、収差はよく取ってあるが、わざと擬解像でみかけの解像
>度を上げているわけではなさそう、ということでした。

擬解像をつかって見かけの解像を上げることは普通はしませんです。
ぼけたとき、MTFがゼロになるところが解像限界としています。

>あと、1/3in の CCD ぐらいでは、なかなか評価に値しませんね。
>30line/mm ぐらいまでしか見えません。で、こいつらは開放からもっと
>来るので、だめでした。

点像(光量が少ないので、線像の方が良い)をCCDでとって、1次元の
フーリエ変換すれば、絶対値がMTFですので、いろいろ楽しめますよ。
写真レンズでは、白色光で、50本くらいまでが勝負です。

>#ちなみに僕の研究は、絞りのところにいろんなパターンをおいて、
>#それによりデフォーカス前の画像を復元、距離推定をやってます。
>#超ハデな擬解像を非等方にわざと発生させて利用するわけです。

イメージがわきません(すみません)こんな話が大好きデスので、またの
機会にぜひ教えてください。(大学時代が懐かしい)

>##この間の合宿で、スペックルを一度ランダムパターンとして使って
>##みようか、と思い付きました。 (_o_)--> 馬込さん

つかえます。でも、スペックルパタンにも開口の情報が乗ってきますから
使い方によっては、ご注意です。
>
>> Lの顕微鏡の像のキレは実に見事でした。Zなんぞパンフォーカスというか、
>> 焦点深度が深いので有名だそうです。どちらもボケが云々、というイメージ
>> じゃないです。

顕微鏡はこれまたすごい世界で、限界追求型ですね。
ついでにステッパーはもっとすごいです。

>波動光学効果によるエアリーディスク径を越えた解像度を達成するのに
>周辺部の光量を中心部の光量に較べて強くする(2線になる)ことに
>よって実現する Super Resolution とかありますが、通常の写真レンズ
>の開放側では幾何光学的に解像度が決まってくるので、擬解像しないと
>解像度が上げられない、というわけではないと思います。

これって、輪帯フィルターをいっていますか?
極端には2つ穴、4つ穴の瞳があって、周波数が倍になります!

>要は、幾何的
>に完全に収差を取ればよいと思います。F1.4 のレイリー解像限界って
>1000line/mm を越えてますからね。幾何的に無収差だと、このあたりま
>でフラットに来るはずです。

そうです。収差です。色収差も結構あります。
で、レイリーなんて、*(写真レンズでは)開放ではまったくでません。
で、重要なのはせいぜい 50 line/mm ですので、特殊な用途(実験)以外は
こだわらなくてよいとおもいます。

>あと、「高解像度と低解像度のコントラストはトレードオフ」というのは、
>波動光学的結像の元での話ではないでしょうか??写真レンズでは、
>高解像度にすれば必ず低解像度側のコントラストを犠牲にしないとだめと
>いうわけではないと思います。

う〜〜ん、この辺はレンズ設計をやってはいないので、判りません。
でも、限られたガラスとおおきさと、カスタマーの満足と値段の釣り合いでは
収差の配分をいじくると影響はありそうな気がします。
>
>えらい基本的なところですが、どうでしょう??デフォーカスすると
>どんどこ高周波が下がって来ますよね。でも低周波は上がってこないです
>よね?

その通りです。
デフォーカスすると点像の高さが小さくなって、そのぶんエネルギ(光量)が
広がるでしょう!
すなわち、点像は大きくなって、MTFはどんどん落ちます。
>
>#ただし、完全無収差のレンズで、円形の均一な開口であれば、デフォー
>#カス時に若干擬解像は発生しますね。

いや、ボケによって、たくさん出るのではないかと思います。

>#収差の付与や、外周に行くに従い
>#暗くなるフィルタによりこれを消すことは出来ます(波動光学では
>#apodization というのがあります。フーリエ変換の窓関数といっしょ)。
>#だから、無収差=擬解像なし、ではないですね。

高周波カットデスね!

>あと、「霞」と、空気感について、ですが、普通空間周波数の高い
>ところが落ち込むと自然なボケになりますが、逆に、低周波の部分が
>落ち込むと、かなり離れたところの明部の光が入ってきて霞がかかった
>ようになります。霞がかかっても、依然、ウスボンヤリと細かいところ
>まで見えるものです(芯がある)が、これは高周波成分が残っている
>からだと思われます。つまり、「デフォーカス部が、霞がかかったよう」
>になるのは、通常の無収差のデフォーカスではなく、球面収差を
>伴うボケによってこのような周波数特性の乱れが生じ、それによって
>低周波部がコントラスト低下しているから、という可能性もあります
>よね。

そうですね、球面収差がある時の焦点像は芯があってあまりフォーカスに
よらない(ある範囲ですが)。うむ、たしかに霞成分に寄与しますな。
>
>あと、ぼけの評価ですが、よく雑誌などではとてつもなく大きくぼか
>していろいろ云々しているのが多いですが、
>「これじゃわからん!」って思いました。

そのとおりですよね。ただし、汚いボケの評価にはなります。

前にも書きましたが、あれこれいっても、自分の好きな、好みなレンズは
人によって違いますし、良いのに当たったら愛しましょう。

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    馬込 伸貴 ∈ (株)ニコン 精機・開発推進室(大井です)
             magome@nikongw.nikon.co.jp ,  IFOS = nba3194
                          ext.7312-4281, tel.03-3773-1892, fax.03-3775-9042