[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]
[nikomat:05505] Re: hyouten'ka no keiken (F)
日浦@MHIです。
佐藤@ソニーさん,こんにちは。
Hiroshi SATO <h_sato@arc.sony.co.jp> wrote:
>いくら厳寒期とはいえ寒さで金属がもろくなるということはないと思いますよ。
>-40℃の世界で薔薇の花がこなごなに砕け散るのも、バナナで釘が打てるのも
>(いくら凝固点降下があるとは言え)
>水分が凍ってしまうことで弾力を失うためであって、
>もともと固体である金属が寒さのためにもろくなるということは無いですよ。
ロボット屋としましては....
-40℃ぐらいまでは,バッテリなどを除けば,機械ものはたいてい動きます。
リード線などは折れやすいですが,低温用のものを使えば大体OK。
大概の冷凍倉庫では,フォークリフトが平気で動いてます。
-60℃では(マグロを保存する倉庫など),金属部品が脆くなるため一般のものを
流用するのはかなり難しいです。
LNGタンク内では-100℃ぐらいですが,オイル類が使えなくなります。
でも,工夫とお金次第で,モータ,ギア,軸受け,シールなどたいていの
機械要素が付いてるロボットアームでも動いてしまいます。
低温で金属が脆くなる問題は,材質の選定でたいていOKです。
LNGタンクなんて,熱収縮を吸収するため,中身は金属板の蛇腹になってます
が,割れたり漏れたりなんてありません(はず...)
宇宙関連はもっと大変でしょうね。
というわけで,メタルフォーカルプレーンの,メカニカルシャッタの
カメラだと,-40℃ぐらいまでは動いて当然,という気はしますね。
電子部品も大概動くでしょう。
布幕,さらにゴム引き,となると,止めたほうが良いでしょうね。
#で,やっぱりコンタックス。
>もし寒さで金属がもろくなってしまうのだとしたら
>厳寒期の狩勝峠を走るSLのメインロッドやサイドロッド、バルブギヤーなんかが
>折れてしまいますよね。
>それともボイラーの熱で温められているから折れない? (^^)
南極昭和基地の付近には,壊れてうち捨てられた雪上車が30台ぐらい
あるそうですよ。
発熱体があると,それ自身は楽になりますが,今度は温度勾配で
歪んだり割れたりがあるのが恐いです。
(秘密は書いてないな?よし。)
----
日浦 亮太
三菱重工業(株) 高砂研究所 機器・自動化装置研究室
Ryota HIURA
Machinery Labo, Takasago R&D center,
Mitsubishi Heavy Industries, LTD. Japan
email to hiura@trdc.mhi.co.jp