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[nikomat:09697] Re: 解像度雑感
日浦@MHIです。
Tamotsu KOYANO <koyano@bukko.bk.tsukuba.ac.jp> wrote:
>とりあえず、
> ミリあたり50本の像って見たことありますか? と訊ねる。
>#教訓:ミリ当たり50本は×4ルーペでは見えない。
と,私も思います。スライドのまま見るなら,20倍ぐらいは欲しい。
カラープリントでは2L以上にしないとだめだと思います。
で,私の場合,2Lプリントに対して5倍ぐらいのルーペを使って確認する。
>さて、レンズの焦点深度を計算する時、通常使われるフィルムの解像度
>を勘案して最小錯乱円が0.02〜0.03mm云々というのを聞いたことがあり
>ます。
これは,顔を動かさずに全体が見える程度の距離にプリントをおいたとき,
肉眼で観察できる解像度の限界から,フィルム対角線長さの約1/1500程度に
最小錯乱円を設定してるんです。だから,昔から変わって無いんです。
フツーの方は,写真全体を鑑賞なさいますからこれで十分なんですが,
一部のオタクと呼ばれるかたがたは,大四つに伸ばしたプリントにルーペを
当てて鑑賞なさるそうですから,上記の基準では不十分なのは明らかです。
#私もオタク。
>#今日日、焦点深度はレンズに書いてある範囲の1/4ぐらいだ。
>(ただし、実質的な解像度がフィルムで制限されるほどの高解像度レンズ)
これは,私の場合,CLEのM-Rokkor40/2を使ったときに実感しました。
被写界深度に収まっていても,ちゃんとRFでピンを出すと,明らかにピン位置
だけ浮き立ってる。これは凄いな,と。
>次に、普通のフィルムでもこんだけ細かいところまで写るとなると、
>レンズの解像度に対する考え方を変えるべきです。
〜〜省略〜〜〜
>MTFだってミリ50本の線がどこまで続くかを見る時代になった
>ということでしょうかねえ。
結局鑑賞の方法に依存してるんですね。
プリントにルーペ当てないとわからないような解像力を求めるのかどうか。
航空写真用のレンズなら当然そこまで目指すでしょう。
でも,収差を減らして高解像度のレンズって,やはり低解像度のコントラスト
も高いことが多いので,ルーペを当てなくてもわかるレンズってあると思います。
例えば,先のM-Rokkorもそう。Biogonもそう。
#コスト,明るさなど制限されると,高周波と低周波のコントラストが
#トレードオフになってくることがあるようですが。c.f. 馬込講義@浜名湖
でも一般にはもっと収差補正をがんばれば低周波も高周波もあがるんですね。
>私は何も知らないけど、レンズの設計はどうなっているんでしょう?
>フィルムの解像度が上がった分、最小錯乱円を小さく設計している
>んでしょうか?
技術の進歩はあっても,コスト制限も厳しくなってるから....
今コストをかければいいものはどんどん出来ると思いますが,時流が許すか??
ペンタックスの43/1.9なんて興味あるなあ。
>同じフィルム使っているのに安いズームだとキレが悪い、というのは
>腕やブレだけの問題じゃなくて、フィルムが良くなったせいで単焦点
>の優位性がモロに出てしまってるからかもよ〜。ISO3200使えばわか
>らないはずじゃ〜。
やはり,収差,つまりレンズ性能が支配的だと思います。
フィルムの進歩が凄いですから。やっぱり高いレンズ買うしかないんですよ。
>フィルムが良くなって、レンズの解像度が上がって、ネックになる
>のはボディーとフィルムかもしれませんね。いくらなんでもミクロ
>ン単位でフィルム面を平面&マウントと平行に、フィルムとファイ
>ンダースクリーンの位置を合わせることは出来まいて。ここまで来
>ると乳剤の厚さまでが効いてくるはず。広角の場合ピンだしも大変
>だぁ。RFルネッサンスなんて始まったりして。
平面性さえ解決できれば,乳剤,ベースの相対的な厚さが小さくなる
中判,大判がやはり有利ですね。35mmカメラは精度の確保が難しい。
だからライカは裏ブタ開閉なしだったんだとおもいます。
>ピント面が移動せず、フワフワしないでピタッと決まるからデジカメ
>のCCDなんてのが最後は勝つでしょうね。
でも,現状CCDだと画像サイズ大きく出来ないから,レンズを縮小設計
するので組み立て精度がチョー厳しくなると思います。まだまだ。
>#今日の私はハイである。ひたすら理屈をこね回す、まさに世間から
>#アウトした学者モードである。たかが、0.02mm間隔のストライプが
>#見えた、というだけで秋の夜長にこんだけ長い文章を書く。この調
>#子で論文が書けるなら出世できるのにのぉ〜。残念だなぁ。
身近な発見に目をむけ考察する。他者が,別の切り口から分析する。
なんてすばらしい研究環境なんだろう......
#副専攻を持て,といわれる時代ですから。
#副専攻持ち過ぎの方もいらっしゃいますが???
#芸は身を助く。多芸は...なんていっちゃいけません。
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日浦 亮太
三菱重工業(株) 高砂研究所 機器・自動化装置研究室
Ryota HIURA
Machinery Labo, Takasago R&D center,
Mitsubishi Heavy Industries, LTD. Japan
email to hiura@trdc.mhi.co.jp