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[nikomat:09692] Re: [Q] 海外旅行の注意点(解像度雑感)




>丹後屋っす。

ご不在の間、寂しゅうございました。

>> #ご自宅で血の雨が降りませんでしたか :p
>天気予報に出てました?

はい。雷のマーク付。雨降って血ぃ固まるって。
しかししかし、MLの人たちは正直だから洗濯屋のせいであると
すり込んで配偶者対策用秘密兵器とし、実は実は、、、である可能
性も否定できない。ロシア娘は中村正也先生の写真集で目がつぶれ
そうになるくらいだからぁ。

>> こやの@Aρ
>遂に自覚したようっすね。
>やっぱ、しのじまさんのベンツ仲間だったというのはホントみたいだ。

と、このままでは私が可愛そうだからっと、、、

*−−−−−−Aρモード終わり−−−−−−−−−−−−−*

古谷野です。丹後屋旦那との合戦以来高解像レンズが好きになって
ますから、ちとバイアスがかかっております。

$今日の気分は順光&高分解能。ボケ味、実用性は一切無視。$

とりあえず、
   ミリあたり50本の像って見たことありますか? と訊ねる。

#用語の不適切な使用があっても勘弁してね−>専門家

レンズの試写をしていて、たまたま視野の隅にベランダの手すりが写り
ました。ニコンの4倍ルーペで見ていたんですが、ベランダのところが
もやっとしてて”ま、開放だからねぇ”と何気なく見過ごすところでし
た。
物置からピークの×60というルーペが出てきたので覗いてビックリ。
スケールで見ると0.02mm間隔の縞模様が解像しているんです。テストパ
ターン撮影みたいな好条件でなくて、実写で0.02mm間隔が写ったのです。
×22のルーペでは、まあまあ見えるぐらいでした。

#教訓:ミリ当たり50本は×4ルーペでは見えない。

0.02mmのストライプが見えるんで像の幅は0.005mmぐらいでしょう。フィ
ルムはコダックのダイナ100(旧タイプ)という普通のリバーサル。
こんな細かい解像するには露出条件が厳しいようですが、ともあれこれ
だけディテールを出せるわけです。ライカ版を50倍に(=約畳一枚に)
拡大して1ミリ間隔のストライプです。

さて、レンズの焦点深度を計算する時、通常使われるフィルムの解像度
を勘案して最小錯乱円が0.02〜0.03mm云々というのを聞いたことがあり
ます。そういえば、フィルムはどんどん良くなっているのにこの数値は
昔から変わっていなかった。今日ではごく普通のISO100リバーサ
ルでも0.005mm程度の滲みに収まってしまうようです。実験室の話では
なく、ごく普通の野外撮影の実写でこれである。う〜ん、ショックだ。

#今日日、焦点深度はレンズに書いてある範囲の1/4ぐらいだ。
(ただし、実質的な解像度がフィルムで制限されるほどの高解像度レンズ)

0.005mmといえば5ミクロン。焦点距離・口径比を考えるとフィルム面
の位置はどのくらいの精度で決まっている必要があるんでしょうか
(公式教えて−>まごめさん@NY、日浦さん!)。 ここまで来る
とフィルムの平面性、ファインダースクリーンとフィルム面の共役性、
ピントをどうやって合わせるか、とかが問題になりそうです。
レンズマウントとフィルム面の平行度がとても気になります(片ボケ
が露骨に出る)。雑誌の解像度テストの時、どんなボディを使ってい
るかって書いてありましたっけ?(乾板使用でしたっけ?)。逆に、
これだけ分解能が出るレンズだと、視野全体にミリ50本のパターン
を写してボケの分布でフィルムの平面性を求めることも可能かと思い
ます。

次に、普通のフィルムでもこんだけ細かいところまで写るとなると、
レンズの解像度に対する考え方を変えるべきです。ミリ100本の
レンズでも30本のレンズでも、どうせ普段使うフィルムだとそこ
まで出ないからどっちでも同じだぁ、とはいかなくなったんです。
最小錯乱円0.02mmで設計されたレンズと0.002mmで設計されたレンズ
の違いが常用のISO100リバーサルで出てしまう恐ろしい時代になっ
た、と考えるべきでしょう。MTFだってミリ50本の線がどこま
で続くかを見る時代になったということでしょうかねえ。35ミリ
版から伸ばすプリントの大きさは昔から変わらないから、と言って
もライカ版を大四つに伸ばすと10倍の拡大。0.02mm間隔のストラ
イプが0.2ミリとなるので裸眼で見える範囲に入ります。昔のフィル
ムならネガ上の0.02は区別できなかったから0.02のストライプが分
解できるレンズでも出来ないレンズでも結局同じだったけど、今の
フィルムならごく普通のものでも余裕で分解してしまう。かくして
思っている以上にレンズの良し悪しが物を言う。んで、レンズはい
ろいろ揃えなくてはならない?−>高田さん

#昔はフィルムが解像度を制限した。今はレンズとボディー。
#プリントの伸ばしボケは言語道断! (ごめんなさい−>丹後屋さん)

私は何も知らないけど、レンズの設計はどうなっているんでしょう?
フィルムの解像度が上がった分、最小錯乱円を小さく設計している
んでしょうか? ズームレンズがドンドン高倍率化して、しかも小
さくなっていますね。計算機が発達、高屈折ガラス、非球面云々だ
から性能は向上している、といわれているけど、実は最小錯乱円は
0.02mmのまんまだから小さく出来るんだ、なんてこと言われたら泣
いてしまう(安物レンズの場合よっ)。単焦点だと技術は最小錯乱
円を小さくすることに寄与するはずだから、最新鋭の単焦点なら、
まさか0.002mm(あれ、光の波長の4倍だぁ。Diffraction Limitは?)
とか。これが本当なら昔のフィルムなら”単焦点と同等の写りをする
ズーム”でも、今日の常用フィルムだと性能差が出てしまいますね。
どこまでいっても単焦点には優位性があるんでしょうが、逆にズーム
使うなら高感度フィルム、という割り切りが出来る、あるいは単焦
点でISO400使うのはレンズの無駄っつうことか。%極論だなぁ%

#ISO100なら単焦点、あるいは高級ズーム

同じフィルム使っているのに安いズームだとキレが悪い、というのは
腕やブレだけの問題じゃなくて、フィルムが良くなったせいで単焦点
の優位性がモロに出てしまってるからかもよ〜。ISO3200使えばわか
らないはずじゃ〜。

フィルムが良くなって、レンズの解像度が上がって、ネックになる
のはボディーとフィルムかもしれませんね。いくらなんでもミクロ
ン単位でフィルム面を平面&マウントと平行に、フィルムとファイ
ンダースクリーンの位置を合わせることは出来まいて。ここまで来
ると乳剤の厚さまでが効いてくるはず。広角の場合ピンだしも大変
だぁ。RFルネッサンスなんて始まったりして。

#やっぱり、新しい酒は新しい革袋に:
#AF85/1.4D、AF28/1.4DはF5にベルビア。
#ズミクロン白鏡筒はM3にトライX、D76。

ピント面が移動せず、フワフワしないでピタッと決まるからデジカメ
のCCDなんてのが最後は勝つでしょうね。ここまで来るとピント面
が平面である必要もないかも。素子数が少なくても最大エントロピー
法などを駆使して0.002ミリが出せたりして。モードラの巻き上げ競争
が終焉をむかえ、データ転送速度・CPUメモリー競争が勃発する。
解像度を突き詰めるとここまで行くか。人間味が無いなぁ。

#私はやっぱりM型に、白いズミクロンやMLアダプターつけて、
#ズマールの、エルマーの、でっこまひっこまで、古井戸を覗
#き込みながら空気を写して楽しみたいなぁ。
#丹後屋の旦那も帰ってきたことだし、高分解モードは今日まで。

−−−−−−−雑感・おしまい−−−−−−−


#今日の私はハイである。ひたすら理屈をこね回す、まさに世間から
#アウトした学者モードである。たかが、0.02mm間隔のストライプが
#見えた、というだけで秋の夜長にこんだけ長い文章を書く。この調
#子で論文が書けるなら出世できるのにのぉ〜。残念だなぁ。

$昼休み、ホルガで巻き上げ忘れて連写したせいだろうか?
$いや、科研費のぉ〜、論文のぉ〜。


古谷野 有@筑波大学低温センター
koyano@bk.tsukuba.ac.jp