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[nikomat:10050] Re: stereo ( was: finder screen for medicalnikkor )



まごめ@さすが専門家じゃ です。

ひうら@きょうだいさん:

直感的理解のためにまとめをさせてね!
 
第1章は、
「目の物理的機能・・・亀等機能・・・では立体感なんてほとんど
 つかめないちゃ!」って、いうことですよね。

>まず、いわゆる両眼視差による立体視は、あまり正確ではない、というか、
>分解能がないということです。たかだか 6cm 前後のベースラインで、
>筋肉によって方向が駆動される眼球の精度からいって、それほど高精度
>な測距はできません。
>
>また、fj でも書いたように、人間の目は中心の分解能は高いですが、
>周囲はそれほどでもありません。ですから、一気に立体間を感じて
>いるというよりも、眼球の輻輳運動(つまり、内目/外目の調整)を
>併用しているというのがあります。
>
>あとピントあわせのメカニズムですね。これも、かなりパンフォーカス
>なので、距離測定にはあまり効いてきませんが、写真鑑賞のように
>近くの場合は違和感が発生しますね。ちゃんとしたビューワを使うと
>別ですが。

第2章は、
「人間は距離の相対評価は得意ダス」ってことですね。

>心理学の実験で、どの機構がどれぐらい測距に寄与しているのか
>の研究結果もありますが(ちょっと手元にない)、実際、たいしたこと
>ないです。どれを使っても 10m かせいぜい 20m が限界のようです。
>精度は、言うに及ばず。ただし人間の常で、相対的評価(どちらが
>より手前にあるか、など)は割と得意です。

第3章は、
「立体写真を見やすくする工夫が必要」ってこと。

>ということで、普通に(人間の眼球と同じ長さのベースラインで)
>ステレオ写真を撮ると、あまり立体間がなくなってしまうので、
>ベースラインを長く取るとか、鑑賞時の視野角を実際の視野角
>よりも小さくするとか、そういう工夫で誇張している場合が
>あるわけです。
>
>また、上記3要素全てが正しいような立体視装置はほとんどありません。
>(NTT だったか、ATR だったかの研究で、これらをばっちりやりましょ
>ってのがありますね。レンズ系で視度も変えてます。でも完全ではない)
>
>画像の視野角と光軸(つまり無限遠に相当する点への視線が、至る方位
>で平行で、かつ視野角が狂っていない)がちゃんと調整されていれば、
>前2者の整合はステレオ写真でもちゃんと実現出来るのですが、
>ビューワの性能に因るでしょうね。

第4章、
「問題のローカルな立体感は、(陰影、歪み確かめなど)先験的知識で
 立体をとらえる」つー事よね。
>
>で、ローカルな立体感、つまり物体そのものの凹凸に関しては、
>実はほとんど視差は使われていません。これは、光源による陰影のつき方、
>テクスチャの歪み、自分が動いてみて確かめる、先験的知識を用いる、
>などによります。写真の質がよいと、立体写真でなくても、4ツ切
>ぐらいに伸ばせば没入感覚を味わえるのは、みなさんご存じでしょう。

第5章
「この秘密を知っているのは、ひうら@兄弟+YDのみか?」
>#スピーカの間に飾るといいらしい。

第6章、
「左右で見えないところが実は大切」て、言うことだ!

>こういう別の手がかりに乏しい場合は、視差が強く現れるエッジ
>付近の情報を元に補間したようになって、平面的な感覚を
>覚えるのだと思います。エッジでは、視差そのもので距離を感じて
>いるというよりも、視差によって手前の物体が背景の物体を
>隠す度合いが左右の目で異なるので、その差の領域を脳の処理が
>畳み込む段階で距離差を知覚していると考えられます。

第7章、
「やっぱりローカル立体視は経験から来る予想なんだ」

>つまり、テクスチャに富んでいても、連続的であれば、あまり
>立体感は得られないことになります。ランダムドットステレオ
>グラムでも、連続的な距離感の表示が可能(そういうものもある)
>ですが、実際には段階的な距離マップでステレオグラムを作る
>ことが多いのは、そのためでしょう。
>
>立体感のあるライティングとか言われるのも、この「光源による陰影の
>つき方」を人間が立体感の把握に利用しているということの証拠でも
>あります。ですから、
>
>> たとえば、ヌード写真のステレオは物が連続的な立体でもディテールが無く、
>> マッチングしにくいですよね。
>
>というのではライティングが重視されるのでしょう。
>Computer Vision の分野では Shape from Shading と呼ばれます。
>
>> 入れ墨のヌードならよろしいかと思いますが、(あるいは何かを投影する)
>
>レースカーテン越しの光とか、よくありますよね。
>Shape from Texture か、Active Rangefinder か。

わかりました。

まず。片目でみてもローカルに立体的に見えるのは、
        1。見えるというよりも経験からそう思えるってこと。(第4・7章)
        2。目の努力ではない。(第1章)

立体写真で平面的なのは、
        3。見やすい工夫がされていない。(第3章)
        4。だから、エッジだけを見てしまう。(第6章・前半)
        5。でも相対間はつかんじゃう(第2章)し、
        6。さらに、左右で隠れた所から立体感を感じる(第6章・後半)
        7。テクスチャは見ない(考慮しない)ので、ローカル立体感は無い。
                          (第7章)

ちょっと疑問が出ちゃいました。
以下の定理は正しいでしょうか?
        A。経験的に凹凸がわかる物体をステレオ写真に撮れば、
      ローカル立体も感じる。
    B。スピーカの間に飾ってある謎の写真は経験的に凹凸が
      わかっている。
_____________________________________
    馬込 伸貴 ∈ (株)ニコン 精機・開発推進室(大井です)
             magome@nikongw.nikon.co.jp ,  IFOS = nba3194
                          ext.7312-4281, tel.03-3773-1892, fax.03-3775-9042