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[nikomat:11358] [OTF 4-1]
[OTF4-1]
<始めに>
今回は、定義と測定の方法です。
定義1は、シマシマを結像してそのコントラストを実測すればよい。
定義2は、点像を測定して、それをフーリエ変換します。
定義3は、瞳関数の自己相関です。(これは初のお目見え)
<定義と測定法>
測定法を理解することはそのものを実感できますから理解に役立ち
ます。さらに数値を考えて見ることにします。
各定義のつながりは次回にしますかね。(きっと先回りしないでは
いられない方が多いと思いますが)
<定義1の測定法>
もっとも実感を伴う測定法です。ニコンはカメラ検査協会(今のカ
メラ博物館)に20年以上前にこの原理の装置を納めています。
OTFを測定するのに、一つの空間周波数だけではおもしろく
ありません。基本のグラフとしては、横軸に空間周波数、縦軸に
OTFをプロットします。
よって、シマシマをスイープすることになりますから丁度レコード板
サイズで放射方向(傘の骨の長手方向)に透過と非透過部が互い違い
になっているガラス板をつくり、これを物体にしています。
正式名称はSiemenstarといいます。目の検査で乱視を検出するアレを
360°に広げたものです。
これを拡散照明し、間にコリメータレンズをかまし、被検レンズで
結像します。像面には顕微鏡の対物を置きシマシマを拡大し
シマシマに対して十分小さなデテクタで光量を電気変換します。
得られる信号はまさにシマシマのサイン波ですから、これからアナロ
グ的にコントラストを計算します。さらに物体円 盤から直接得た円盤の
位置の電気信号と位相比較してPTFを求めます。
#いままでに物体の強度分布はsin状と書きましたが、実際にコレを
作るのは大変です。よって、透過・非透過の2値のシマシマが実際の
円盤です。よって、目的の空間周波数の奇数倍のMTFも重畳された
信号が出てきます。これは、どうやって補正していたかは残念ながら
しりませんが、まじめなニコンとしては電気信号からもっとも基本周期を
とる電気的フィルターを噛ましていたと思いますが、フィルターも
以下の周波数スイープに伴って動かないといけませんね。
以上はアナログ的ですので、円盤をレンズに対し横に移動することで
空間周波数が変化し(スイープし)MTFがペンレコーダにプロット
できます。
(わかったかな?)
コリメータをいれたのは無限遠での結像状態をしらべるためです。
(レンズでは簡単に無限遠がつくれます。焦点 位置に物体をおけば
反対の焦点位置は無限です)
被検レンズの中心だけでなく、像面上どこでも測れ羅無くてはいけない
ので、被検レンズを光軸に垂直に移動し軸外を測定します。その時には
タンジェンシャルとラジアルの測定が必要なので、円盤の像をイメージ
ローテーターで90度回転して2回測定します。
| ( ) |−−−−|
|・・・| |・・・| |・・・( )・()・・□
| ( ) |____| 被検レンズ デテクタ1
|_ コリメータ イメージ 顕微鏡
| ローテータ
| 円盤
|
|□ デテクタ2
光学系はこんなになっています。
デテクタ1と2の比較でMTFとPTFが測定される。
また、コリメータ(c)と被検レンズ(t)の焦点距離の比 m=fc/ft
の倍率が掛かりますので、それで、横軸の空間周波数を補正する必要が
あります。
この測定器がどのくらいの周波数範囲が測れたかは手持ちの資料がもうないため
わかりませんが、それは被検レンズの焦点距離で異なって来ますが、もっとも
重要な10から50本/mmはカバーしていないといけませんね。
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馬込 伸貴 ∈ (株)ニコン 精機・開発推進室(大井です)
magome@nikongw.nikon.co.jp , IFOS = nba3194
phone 03-3773-1892, fax.03-3775-9042