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[nikomat:12630] Re: [-yota] M3
ひうら@きょうだいです。
> おおこしです。本来なら私が口を出せるような話題じゃないのですが、
いえいえ、そないなことはありません。
> > この手の収差は近接するとどんどん変るので、
> > 「無限遠を開放で撮るような人は、うちのレンズを使うような
> > お客さんにはいない。」と独逸人が考えたのか??という感じです。
>
> うーーん。というか、「このレンズを使うなら絞ってとってくれ」ということなの
> ではないんでしょうか。(ツァイス擁護モード)
はい、そういうことだと思います。そういう積もりで書きました。
> サンダー平山氏が近著の中で、「撮影目的を考慮に入れないカメラ・レンズの評価は
> 無意味である」旨の発言をされています。広角レンズによる風景写真の撮影を、絞
> り込みが前提であると(ツァイスが)考えたのだとすれば、開放での性能を犠牲にす
> る(あきらめる)ことはあったのかもしれません。
ほんとその通りで、以前僕も、無限遠・開放の性能だけを取りざたするような
レンズの評価はよくないと書いたように思います。むしろ無限遠は絞って
撮ることが多く、また無限遠だからピンだし しやすいという事で開放で
撮るというのは結構野蛮な行為という気がします。
#そもそも近接すれば平坦な被写体は稀だし、第一、平坦なものを
#きっちり写す場合はたいてい静止物体が多いから、絞れば良い。
#無限遠も、ここでいう「平坦な物体」の一種と考えられる。
#つまり無限遠・開放の像は「像の平坦性」がとても効いてくるが、
#こういうのが効いてくる条件ではたいてい絞ることができる。
というわけで、ツアイスとしては、像の流れを決めるコマ収差や
非点「隔差」の補正に注力し、像面特性はある程度犠牲に
したのかも知れません。
しかし!広角レンズは被写界深度に対して像面深度が狭いので、
立体的な対象物体も像面側では平坦な領域に合焦する。
つまり結局のところ、広角レンズほど像面の平坦性は支配的なのです。
上記「絞れば良い」的議論は、むしろ望遠系レンズで成立すること
でしょうね。望遠レンズでは少々絞っても被写界深度は深くならない
ので絞っても仕方ない(被写界深度を伸ばす効果はない)、と
言われますが、像面深度は深くなりますから、像は改善します。
あと、像面湾曲・非点収差という収差は、主光線(絞ったときにも
なお通過する光線)周辺で定義されるので、(球面収差や
コマ収差のように)絞っても改善されません。焦点深度の増加に
よって改善するのみです。