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[nikomat:12936] Re: curvature and resolution



ひうら@きょうだいです。

> 大越@ML読むために休日出勤 です

ははは。・・こちらも同じようなもの(ML 読むために平日も出勤か??)

明日は京大が停電なので(阪大は動いてるから ML は OK)
健康的に過ごせます。

> #手持ちの本(朝日ソノラマ:写真レンズの基礎と発展・・だったかな?)には、
> #像面湾曲を補正するためにフィルム面を曲面に保持するようなカメラが存在
> #した、と書かれていますが、どんなカメラだったんでしょうか?

はい、そう書いてありますね。

私の記憶がたしかならば・・・
Minox というスパイカメラがありますが、あれの一時期のモデルに
フィルムレール(もしくはフィルムを保持するガラスブロック?)
が湾曲していたものがあったと思います。

実は Minox の場合でもこの問題はシビアでして、フィルムの面積が
小さいので大口径レンズでもパンフォーカスになるのですが、
(像面が小さければ、同じ画角でも焦点距離が小さくてすみ、
  レンズそのものの径も小さくなるから。人間の目や、ビデオカメラが
  同じF値でも合焦しやすいのと同じ)
やっぱり F値が小さい、明るいレンズを搭載していますし、
フィルムの面積が小さい分だけ解像度も上げないといけませんから
フィルムと像面を十分マッチさせる必要性はあるんだと思います。

撮影するときは一眼レフの広角レンズと同じでだいたいの距離に
あわせておけば良いのですが・・・像面側では そうはいかないという
見本のようなカメラです。

あとまったく別のものですが、球面状の像面を仮定したレンズも
過去にあったそうです。

レンズの各面は ある1点を中心とした同心円のみによって構成されており、
(まるでホロゴンの第1、第3レンズのよう)その組み合わせによって
全体として凸レンズになっています。しかしその構造上、光軸が定義できず
(というよりも、その「1点」を通る直線は全て光軸と言えます)
その「1点」を中心とする像面(というより像球、ですね)に関しては
理論上まったく像面湾曲やコマ収差はありません。
monocentric design というそうです。

#シュミットカメラって何でしたっけ?

それと最近のものではパノラマ撮影専用の 135 のカメラがありましたが、
(かなり安〜いカメラ、固定焦点だったのではないかな??)
これのフィルムレール(もちろんプラスチック製)が湾曲している
のを見たことがあります。おそらくレンズの像面に合わせている
のだと思いますが、こういう特性にすることによって広角レンズ
を用いた場合の幾何学歪みを押える効果も狙っているのでしょう。
焦点距離以上に周囲が写ってくれますし、第一、端に写った人が
太って写る、という苦情を受けなくてすみます ^^;

> 無限遠を開放で撮ってちゃんと写る広角レンズを作るのは大変なんですね。像面湾
> 曲については、レトロフォーカスも対称型も同じ問題を持っているのでしょうか?

このへんはあまり詳しくないので、あまりたいそうなことは言えませんが、
レトロフォーカスレンズの場合、無限遠で像面湾曲がなくても
近接するにつれて湾曲が大きくなることがあるそうです。

対称型では近接による像面湾曲特性の変化は、非対称型に較べて
比較的少ないと言われています。

#つまり 元ネタのハッセルのディスタゴンですが、無限遠で湾曲が
#見られても、やや近接すると平坦になっている可能性もあります。

> レンズについては興味はあるのですが、数式とかグラフとかで説明されても今一つ
> ピンと来ません ^^) 何か、実例(こういう収差があるとこういう写真になる等)を交
> えて解説されているような本をご存知ありませんか? 手持ちの本(上記のもの1冊だ
> けですが)でも少し載っていますが、なかなか難しいです。

そうですよね・・・
上記の本はそういう意味ではとても良くできた本だと思いますが、・・
実際のレンズの例をずらりと載せてたりしたら、とっても楽しいでしょうね。
科学的 & 実写的 両方取り混ぜた、レンズ味見の本といいますか。

では