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[nikomat:13455] Re: Shutter Curtain of Leica
In message <9801060551.AA06228@lynx.cyg.fuji-ric.co.jp>
"[nikomat:13451] Re: Shutter Curtain of Leica "
"SATO Yoshiyuki <sato@cyg.fuji-ric.co.jp>" wrote:
> さとう@丹後屋です。
>
> よしだ@修理屋 さん:
> > > 上で「全部で4通り」と書きましたが、もっとあった。
> > > 幕の重なりが逆のやつ。8通りす。
> >
> > 思わず声を出して笑ってしまいましたが、本当ですか??
> 確か中川さんの本にありましたよ。
> 左右のドラムに幕の本体を張り付けた時点では、重なりには前も後ろも
> ないですよね。
無いですね。
> そのあとの紐の付け方でどっちを上にしても付くんじゃないですか。
> 機構上無理?
無理ではないです。
> > シャッター幕の巻き取り軸(2つある)を逆に使わないと、
> > こうは組めません。
> レンズ側からみて奥の軸が先幕本体、手前が後幕紐ですよね。
そうです。
> 干渉するところあるのかなぁ?
下図を見てください。
レンズ側から見た正しい重なりです。
逆だと、後幕のリボンが、巻き撮られた直後の先幕の端(若干
ドラム側に巻かれ気味に寄る)に引っ張られます。
つまり、先幕が巻き取られ切る直前までと、巻き取られた直後
で抵抗が変化しちゃいます。
しかも、後幕の縦棒は、巻き取られた先幕のベロの処に潜り込
んで行くように進まなければならなくなり、終端よりも手前か
減衰させられることになります。
また、できるだけフィルム面に近いほうが理想なのに、浮いて
しまうというのも問題になります。
ここで、「同様のことが、幕の巻き上げで起こるはず」と思う
でしょうね。
でも2軸の場合、幕の巻き上げ側の軸のほうが、巻き取り側の
軸に比べ、視野絞り(露光面の窓)の端から離れた処にありま
すし、1軸の場合なんかでも、巻き上げドラムの曲率が大きい
ために、このような現象が起こり難くなってます。
# 色々バラして気付いたことなので、本来そういう必然性から
# そうしているのかどうかは知らない。
あと、先/後のリボンの重なりが有るから、先/後幕同時走行時
に (相対速度:0だから)静止摩擦により安定するんです。
つまり、先幕が巻き取られきったときには、2つのリボンが離れ
る方向に動くほうが良いはずです。これにとっても(反対だと)
都合悪いですよね。
+--+ +--+
| +----| |-----------------------
------------------------+ | 後幕リボン
先幕リボン | + - - - |-----------------------
------------------------+ |
----------------+ | | +------------------------
| |
| |
| |
後幕 | | 先幕
| |
| |
| |
----------------+ | | +------------------------
------------------------+ |
先幕リボン | + - - - |-----------------------
------------------------+ | 後幕リボン
| +----| |-----------------------
+--+ +--+
以上が、私が 上記を正しいのだと解釈するために発見した理由です。
# 本当の理由かどうかは不明。
------
吉田幸司 Dr.Eng. 1960.03.26生♂ Rh+O (株)ニコン
e-mail:yd@nikongw.nikon.co.jp 半導体露光装置第3設計部
tel:03-3773-8502 第3システムGr.
fax:03-3775-9042 知能システムR&D室