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[nikomat:16170] Re: [LENS] 色
佐藤(ひ)です。
> たかなしです。
>
> 私には眼力がないからなのかもしれませんが、いまいち階調、立体感とい
> うものの違いがわかりません。どういったものなのでしょうか。
> どのようなものを写したとき、それらの違いが出てくるのでしょうか。
よく、絞りを開けてバックをボかすと被写体が浮き出て見える、といいますが、
これは立体感とは違うと思います。
では何が立体感かと言うと、
3次元の物体を写したときの、その陰影の付き方だと思います。
例えば、石膏像の絵を鉛筆でデッサンすることを考えてみましょう。
石膏像の輪郭や目、鼻を線で書いただけでは立体的な像には見えませんね。
デッサンに陰影を付けてやることで立体的な像に見えてきます。
レンズの描写でも同じで、立体感のある描写とは、
たとえば人物を写すと顔の凹凸を美しく表現できのに対して、
立体感のない描写とは
凹凸の表現に乏しくのっぺりした顔にしかならないことを言うのでしょう。
階調の方は、いかに豊かなグレーを表現できるのかを言ったものだと思います。
極端な例で言うと
あるしきい値を境にして、それよりも明るい部分は真っ白に、
暗い部分は真っ黒になった絵は階調がまったく無い、ということで、
逆に、中間のグレーがなめらかに出てくると階調が豊かだということになります。
(だからと言ってグレーばかりで真っ黒の部分がないと
「抜けが悪い」とか「黒の締まりがない」と評価されますし、
真っ白の部分がないと「冴えない」とか「ねむい」絵だということになります。)
これも人物など立体物を写してみるとわかるのではないでしょうか。
階調(トーン)を貧弱にしか表現できないなレンズでは
白か黒かでしか描写できないのに対して、
階調の表現が豊かなレンズでは美しくなめらかなグレーが現れるでしょう。
こうしてみると、
立体感とトーンって言うのは切っても切り放せない関係なんでしょうね。
# カラーには使えないけど白黒はいいと言われているレンズや、
# 逆にカラーはいいけど白黒はだめと言われているレンズがありますが、
# レンズの光の透過率の波長依存性と関係があるのではないでしょうか。
# ある波長領域を強く吸収してしまうため、
# 色バランスなどが悪くなってしまうけど、
# それがかえって立体感やトーンを豊かにすると。