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[nikomat:16424] Re: lens center == mount center ?



ひうら@きょうだいです。

丹後屋さん:
> > 実は、3次元画像計測の分野では根元的な問題なのです。
> 根源は「Αρ根源」だった(^_^; 根元も辞書登録しておかなければ。

おっと意識して漢字使ったわけではないので・・意味的には合ってます??

> > 通常の CCD カメラでは、レンズ(の光学的中心)から CCD に垂線を
> > 降ろした足(通常、これを画像中心と定義します)は、画面の
> > 真ん中とは限らないので、計測に先だって「校正」します。
> > 
> > ##つまり画像中心を先に求めておきます。これは難しい。
> > 
> > #これ以外に画像の中心としては、「レンズ光軸が画面を通過する点」
> > #という定義も出来ますが、レンズを絞ってパンフォーカス状態にすると
> > #レンズ光軸の向き、傾き(スイング)の効果は無視できるようになるので
> > #通常画像計測分野ではあまり問題にしません。ただし、レンズ歪み
> > #はここを中心に効いてくるのですけれど。
>
> 画像中心についての2つの定義の違い、というのは工学的な要請からですか?

はい、そうです。「定義の違い」といいますか、工学的には区別すべき
である中心が数種類ある、ということです。

> ごく薄い単玉レンズ(というか、理想レンズなら2つの定義は一致するんですよね?)

いえ、レンズは理想的とするが、レンズと像面の位置関係を任意とした
場合に2種類考えられるのです。

前者は、レンズのシフトによって移動する中心。これが通常の
「画像中心」です。
後者は、レンズのスイングによって移動する中心。

シフト可能ではあるが、スイングの出来ないカメラ(レンズの光軸が、フィルム
面に垂直)では、常にこれらの中心は一致しています。

で、スイングっていうのは、ピントの合う面を傾ける操作であって、絵の
構造は変わりませんから、基本的にボケを勘案しない(パンフォーカスを
仮定する)計測では意味がないので、通常画像中心といえば、前者を
指します。

最初に書いた「レンズの光学的中心」というのは、ピンホールカメラでも
定義できまして、ピンホールの位置そのものになります。
それに較べ、通常ピンホールカメラでは、「光軸」というものは考えません。
(考えようと思ったら、考えられるけど・・)
ですからピンホールカメラでは、前者の定義しか存在しません。

> > しかしこれは、電気的に CCD から画像を読み出す場合のことで、
> > そのサンプリングのタイミングにより画像中心がずれやすいという
> > 性質があるからでして、銀塩のカメラの場合は、ちゃんとフィルム
> > ゲートからの距離が測れるのなら、組み立て精度的にこのずれは
> > ほとんど問題なさそうです。
> 私の鏡云々は、この精度に信を置いてるので、という「アマチュアの前提」で
> の話(^_^;

はい、でもそれでいいと思います。

数学的には、フィルム面を被写体と平行に置くには、例えば被写体に
歪みのない正方形とか長方形を書いておいて、それと相似な図形が
画面に写るようにカメラを配置するといいです。
もしフィルム面が傾いていれば、この正方形は平行四辺形みたいに
ひしゃげますので。この方法であれば、シフトカメラでも、被写体
に平行にカメラを配置可能です。

しかし、レンズ歪みが存在する場合は、こういう手は使えませんね。
それに、正方形の歪みを 0 にするように・・という調整は、かなり
感度が低いので、あまり正しく配置はできないでしょう。

というわけで、鏡の方法は実質的にいいと思いますよ。
それに、「この精度に信を置いている」=「この精度が狂っている場合、
それ込みで評価してしまう」ということになっているので、
それはそれでいいと思います。

> > あと、丹後屋さんが元々の文章で、「この方法で、カメラの精度の
> > 範囲で対象を垂直に設定できる」と書いておられましたが、
> > このシフト効果もカメラの精度の範囲と考えると、確かにその通り
> > なので、・・と思って敢えてつっこみませんでした。
> つっこんで下さいな。

いえ、これは、「よく考えておられるな」と一人感心していたのです。
画像中心のことは、すぐに頭をよぎったのですが。

> マウントフランジ面が光軸に垂直でなければ成立しない、とは思ってましたけど
> ま、あれこれの精度を全部ひっくるめて、up to カメラ精度と逃げて置きました。
> 像中心をどう定義するかは素朴に光軸を考えて、まずカメラ+レンズそれ自体では
> 光軸とフィルム面は垂直であるように作られていることを前提にしてました。
> この辺が工学を知らない、丹後屋の限界す。
> その意味でも是非つっこんでほしいっす。

いや、それで正しいと思います。
作り手が、「光軸とフィルムは垂直」と思って作っていたり、
使い手が、そう思って使っているのであれば、
やはり、残りは「誤差」ですから。
そうなると、結局「よいカメラを用意する」が結論になるでしょう。

もし、この誤差込みで正しく動くようなものを考えるなら、
どんどん深みにはまっていって、レンズを構成する各玉の傾きは
どうするんや、とか、フィルムゲートはほんとに長方形なの、
とか、なんぼでも問題は出てきます。