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[nikomat:20074] Re: shutter tester
ひうら@きょうだいです。
> > これはフォーカルプレーンシャッターの場合ですよね。
> > さらに、レンズシャッターにも対応可能とするには、どんな工夫が
> > 必要なんでしょう?
> > 開き始めから閉じ終りまでの積分。
>
> SPDが光を感じている間の基準発振のパルスの数を計数回路で数えるので、どっ
> ちでも一緒のはずです。レンズシャッターの場合には出来るだけシャッターの
> 中心近くにSPDをおけばいいはずです。
シャッターを表す値には「効率」というものがあります。
レンズシャッターはご存じの通り全開までの時間と、閉まるための時間の
せいで、全開時間=シャッターの開いている時間、ではありません。
この比が効率。
レンズシャッターの効率は絞りの大きさで変化します。もちろん通常は
絞りが閉っているほど効率が上がります。(シャッターの中央は最初に
開いて最後に閉じるから)
そういう意味で、シャッター速度が最高速の時は、それ以外の時に
比べ、「絞り値」と「フィルムの露光量」の関係は違ってきます。
シャッターの効率が低ければその分時間を長くして露光量を補正する
というのは、だめ。絞りが閉じればその分狂ってきます。
(絞り値を使って、補正すれば別ですが)
[絞り開放]
最高速 少し遅い速度
*** *************************
* * * *
* * * *
* * * *
---------------- ---------------------------------------
[絞り閉じる]
***** ***************************
* * * *
* * * *
---------------- ---------------------------------------
の違いを考えると、明らかです。
つまりレンズシャッターにおいては、シャッターの効率は非常に
重要なパラメータです。効率が低いと、如何にうまくシャッター速度を
調整したところで、「絞り値」と「像面光量」の関係を
全てのシャッター速度に関してリニアにするのは不可能となります。
また、ボケの生成過程(ぼけ味)にも影響します。
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シャッターの効率はフォーカルプレーンシャッターでも定義出来ます。
ただしこちらの場合は、ボケ味や像面露光量には影響がありません。
ただシャッターテスターをつくる場合には大変重要です。
光源から来ている光が完全に平行光であり、かつセンサの面積が
0であれば、センサに到達した光の立ち上がりと立ち下がりで
シャッター速度が決まりますが、レンズからくる光にはレンズの
開口分の広がり(円錐の頂角)があり、その円錐をシャッターが横切る
時間だけセンサーには光が到達するからです。つまりシャッターの
スリットの間隔がほぼ0でも、シャッターが像面から離れていれば
像がぶれる理屈。絞るとぶれなくなる。
というわけで、シャッターテスターの作り方には2ポリシーあると
考えられます。
1. ○センサに入射する光束が大変細い。このためには、シャッターテスター
に用いる光源が理想的な平行光源であるか、もしくは受光側の
光学系のF値が大変小さい必要があります。
○像面上でセンサの面積(もしくはセンサの虚像の面積)がほぼ0である。
このためには像面に直接センサを置かず、焦点距離の短い光学系
(レーザピックアップや顕微鏡の対物レンズ等)の物体側焦点を
フィルム面上に置けばよい。
2. シャッター解放時の光量と、実計測時の光量をそれぞれ計測して
比較するための回路/計算装置を持つ装置。
この場合は、センサの面積は0でなくてもよい。
1. を実現するためにはカメラの遠くから白熱電球等で照らし、像面側に
顕微鏡の光学系を置く手があります。ただこう言う平行光学系の世界で
考えると、diffraction があるのでセンサの面積が0という条件が
どれだけ満たせるかが本質的に未知数。
また、受光側が拡大光学系になるので、暗くなります。さらに絞ったり
すると、ほんとに暗い。だから受光側で絞るのは難しいでしょう。
またこちらの装置ではレンズシャッターの検査はできません。
2. は複雑で、回路のリニアリティが必要となりますが、ちゃんと作れれば
安定に動作すると思います。
というわけで、こういうことが考えられていないシャッターテスターは
眉唾だと思います。