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[nikomat:20509] Re: Old ASAHI Camera




 ども、印刷屋@体温39度でただいま出社、です。


At 21:04 98/07/13 +0900, you wrote:
> まごめ@開水質です。
> 
> 今日、サンコン社の hg 氏が1965年(だっけ)の古いアサヒカメラを
> 持ってきました。

> なんで、あんなに解像力が無いのだろう(今、それらを使えば十分良いのに)
> 回答	当時の
> 	1。カラーフィルムが悪い
> 	2。カラー印刷技術が悪い
> 	3。同様に白黒も悪い(でもネオパンSS何て使っている)
> 	4。白黒の印刷技術が悪い
> 	いや、
> 	5。本が古くなったからである。

 1965年アサヒカメラということは、印刷はグラビアかなぁ・・・。
まぁ、石版の時代じゃないね。オフセットかグラビア。
 印刷技術としては殆ど確立した時代ですから、現在と大きな違いは
ありません。(まぁ、グラビアでTH法とかはありますけど)

 印刷上がりの違いの要因としては、
  
   1 原稿
   2 製版
   3 刷版
   4 印刷
   5 インキ
   6 用紙
   7 時経過

 がありますね。

   1 原稿としては撮影されたフィルム・プリントの問題の他、
     撮影者、プリント技術者の腕もあります。
     しかし、それらは今回置いておいて。
   2 製版の問題が大きいかな。
     現在は写真版の4色分解をご存じドラムスキャナで行い
     ます。1965年当時は恐らく縦型カメラで4分版して
     いたと思われます。
     見当の面では現在のほうがきっちり出ますし、写真の
     根堅たさやコントラストが今は必要以上にきっちり出ま
     す。また、現在ではレイアウトスキャナで写真の修整を
     行うことが常道となっています。
     これを前提として自分の作品の欠点を手直しさせる写真家
     もいます。
   3 オフセットの場合、現在はPS版という耐刷力の優れた
     版材があります。グラビアの場合もシリンダに彫刻する
     技術の向上がみられます。
   4 印刷技術自体には大きな変革はありません。
     但し、現在の印刷機械と比べた場合。印刷精度の大きな
     向上が達成されています。
   5 現在は用紙の種類・特性に合わせたインキの種類が多く
     あります。昔は1種のインキで汎用せざるを得ませんで
     したから紙への浸潤性や定着性に難があった可能性が
     あります。
   6 用紙は現在とは比べものになりません。平滑性等均一性
     を現在と比べるのは酷です。
     グラビアの場合輪転印刷ですから、用紙はロールになり
     ます。1ロール40連位あるのかな?(私輪転は詳しく
     ありません)トイレットペーパーの化け物が輪転機に装着
     されるのです。
   7 当時は経年変化を考慮しない化学加工紙です。当時の雑誌
     を見ると黄ばみ、紙ももろくなっています。
     印刷面にも影響が考えられます。
     また、カラーの場合、インクの色によって経年変化の
     度合いが変わります。通常黄色が退色し、ついで赤です。
     当時の印刷物を現在見た場合、カラーバランスが変化し
     ている可能性は大です。

 もっと詳しい解説いります?




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 島村 隆一 (Ryuichi Shimamura)
 TOPPAN PRINTING CO.,LTD.
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 E-Mail    ryuichi.shimamura@toppan.co.jp