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[nikomat:21846] Re: ボケてくれるfinder screen
ひうら@きょうだいです。
> 関心を持ったのはですから28歳の時ですかね。
>
> > #ひうらさんはまだ20代かな.
>
> 兄弟ともね:)
足し算すると 52歳だからトップかな。
#この歳にして既に・・ (-_-;)
> > 設計段階で検討しやすかったのではないでしょうか? 一方ボケのほうは,2線
> > ボケといった定性的な評価こそ可能なものの,定量的な評価は難しそうですから,
> > 設計パラメータとして取り扱うことが,難しかったのだと思います.
>
> なるほど。ぼけのOTFみたいな物は聞いたことが確かに無いですね。
光学の分野ではどうかわかりませんが、
画像認識分野で、ぼけを解析していろいろやってる研究では、
最良像面の像(通常の OTF/MTF ですね)と、ぼけの問題を
完全に分離して議論しているのが多いです。
#レンズの結像性能によるデフォーカスと、ぼけ現象を
#単に畳み込みで表現している。
これは、ほんとうは間違いなんですよね・・
最良像面はシャープではないが、芯の出来やすい収差のため
被写界深度は深い、などというレンズが表現できないです。
#しかも、半径の大きな、いわゆる波動光学的効果のない世界なのに、
#平気で「ぼけをガウシアンと仮定すると・・」なんてやる。
僕の研究でも、ぼけの OTF を解析に都合がいいようにデザインして、
距離計測する・・などというものですが、そのかわりにレンズは理想
レンズとしているんです。ぼけの量がレンズの収差に比べて極端に
大きく支配的なのでそうしているのですが、実際の写真の描写の
話で言えば、こうは行きませんからね。
---
設計時の評価という面では、MTF 以外にスポットダイアグラムという
ものがあり、これなんかではかなり直感的ですし、簡単にぼけ像の
ダイアグラムも作れるんですよね。
任意のシーンを設計中のレンズで撮影したときの写真なども合成できます。
で、レンズ設計では現在では単に MTF を最適化する方法ではなく
スポットダイアグラムもかなりいろいろな状況で見ていると思いますから、
(一度基本データを計算しておくと、ピントをずらして評価するなどは
比較的簡単で計算コストも低い)ぼけを意識した設計をやっている
と思います。
あと、「どんな状況でも、ぼけがまずまず綺麗」というレンズもあれば、
特定の撮影距離、F値で特にとろけるようにすばらしいというレンズも
あるはずで、じゃぁどっちが好み?と言われると難しいと思います。
全域で完璧というものは難しいと思います。
それに撮影目的によってその評価もさまざまに違うでしょう。
撮影距離やF値などのパラメータと、要求される性能の間に
ある種の相関はあるでしょうけれど。
例えば 85mm レンズであれば、1, 2m にピントを合わせると遠景が
素直にボケるなどというようなことは意識していると思いますが
このときの主要被写体の描写については意見は様々でしょう。
#Planar 85mm/F1.4 などは、ソフトレンズ的と良くいわれますよね。
#Ai 85mm/F1.4 ではわざわざ近距離補正してます(ポートレートでは
#最短付近も多いので)から、主要被写体の解像度を重視していると
#言えるのではないでしょうか。
どちらがいいのかは、被写体によっても変わる・・かな。
で、主要被写体がかっちり出て欲しいという向きにはマクロレンズは
適していると思いますし、それが即ぼけの汚さにはつながらないと
思います。
あと、実際の解像度とシャープ感というものもかなり違いますよね。
解像度というのは 100line/mm 程度が低コントラストにでも再現されるか
という問題ですけど、シャープ感は 20-30line/mm の付近がどうなのか
というところが問題、と言われていますよね??
結局有名のギタリストが山ほどギター持ってるのと同様に
いろいろ買ってみて試して、取捨選択しないといけないのかな。
(自己正当化)
では