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[nikomat:23458] Re: resolution factor of photo lens




乾です.

ご丁寧なメイルありがとうございます.

> ひうらです。
> 
> またゆっくり書きたいと思いますが、
> 
> ある方が、「レンズの最大F値は、それ以上解像度が悪くならない
> ポイントに設定してある」と書いておられたので、それに反論
> したかっただけで、
> 僕が言いたいのは、「最良の像を得る方法」とかいうのじゃ
> ないんです。
> 
> > (1)レンズの解像度は絞り開放のときに最大に最高になるように設計されている.
> 
> いえ、レンズの解像度は「ある絞り値の時に最高になるのであって、
> 絞り込むほど良くなるわけではない」と言いたかっただけです。
> で、文中も、開放が一番いいとは書いてないと思いますけれど・・
> それに実際、開放が一番ということはあまりありません。

通常F5.6あたりが一番解像度がいいと言われていますものね.

> >      しかし物が3次元で奥行きを持つため,絞り開放では焦点があっている位置の
> >      前後ではボケが生じ,結果として映像の質が劣化する.
> >
> > (2)そのことから,絞り込むと焦点面近傍では解像度はむしろ劣化するが,被写界
> >      深度が増すために,映像が鮮明な部分が増え,結果としてシャープな写真に
> >      なる.
> 
> はい、そういうこともある。そういう犠牲を払ってでも
> 絞り込むことが必要なことは多々ある。と。ただシャープな像が
> 欲しいとかそう言うだけではなく、あくまで絵作りとか、
> 速写性とか、そういう話ですからね。
> 
> ピントを合わせた場所の解像度がわずかに劣化したとしても、
> 背景の雰囲気を(ぼけているとしても)所望のぼけ方で表現
> したいことは多いはずです。

この辺は一応僕も理解していたみたいですね.

> > (3)しかしあまり絞り込むと,今度は回折現象の影響でまた映像は悪化する.
> 
> これは、当然そうですね。
> F.64 とかなんとかありますけど、これは判が大きいから
> 出来ることでしょう。35mm 判の超広角で、通常の撮影距離
> でやっても、あまり意味ないでしょう。

ここで一つ疑問が.なぜシノゴのような大きな判にカメラでは大絞りが可能で,
35ミリではF22を超える絞りでは回折現象が悪さをするのでしょうか?

これは大きい判のカメラでは,焦点距離が長いレンズを使うので,大きく絞っ
ても口径が大きいので回折現象が悪さをしない,という理解でよいのでしょうか?

> > その上で僕のもった疑問は,望遠鏡の場合の解像度です.ひうらさんは以上の
> > 議論に基づいて,望遠鏡もF値が大きいと解像度が悪化すると述べているように
> > 思えるのですが,僕の理解では(ただし僕の光学の知識は耳知識なのでかなり
> > 怪しいのですが)
> 
> 同じ焦点距離で、F値が大きいと、そのぶん口径が小さくなります。
> 像は悪化します。僕はこれが言いたかっただけです。

なるほど.写真レンズはFで議論し,望遠鏡は口径で議論する点に,誤解のもとが
あったようですね.つまり

	写真レンズ:焦点距離とF値で議論.当然「同じ焦点距離ならF値がが大き
	いほど口径は小さく像は悪化する」

	望遠鏡:口径とF値で議論.したがってF値が大きいとは焦点距離が長い
	ことを意味し,口径はかわらない.したがってF値が大きくとも像の
	悪化は生じない」

> > (1)望遠鏡の解像度は基本的にその口径で決まる.
> 
> はい、そうですが、写真レンズとは解像度の定義が違う点を
> 注意してください。
> 
> 同じ口径で、焦点距離が長いと、F値は暗くなって、画像面上での
> 解像度は劣化しますが、その分倍率が上がるので、例えば近い位置に
> ある星が分離して見えるかどうかといったような、被写体上での
> 解像度は一定になります。画面上での、その2つの星の
> 距離はひろがるわけですから。(無収差のレンズの場合)

そのとおりですね.事実望遠鏡では分解能といい解像度とはいいませんもんね.

> これが取り違えられてるんです。たぶん。
> 解像度の定義が違うんです。
> 写真レンズは像面で定義しますけど、望遠鏡はあくまで
> 星が分離して見えるかどうかの問題ですよね。

これはつまり,望遠鏡の場合には倍率をあげることで,無理矢理像の間の距離を
ひろげることができる.したがって像は劣化しても分解能力はあがる.しかし
写真レンズでは撮影したフィルム上の解像度が重要なので,むりやり拡大という
方法は使えない.あくまでも写された映像上でどの程度分解できているかを議論
するしかない,という意味ですか.

するとレンズは映像のコントラストをいかに正確に再現するかが重要になります
ね.だからMTFという議論がおきるのかな?

こんな理解でいいのでしょうか?

> > (2)天体は無限遠にあるので,被写界深度は関係ない
> > 
> > (3)しかし天体観測では,写真用レンズよりもさらに高い解像度が要求され
> > る.そのため製品は,例のλ/8とかのレベルの精度で製造する必要がある.
> > 
> > (4)ただしF値が小さい光学系では,同程度の製造誤差でも映像はより大き
> > く劣化するため,鮮鋭な映像を得ることは難しい.
> > 
> > (5)したがってF値はある程度大きい光学系のほうが,映像はシャープ.
> 
> 写真レンズと望遠鏡では、抑えるべき収差がちがうでしょうから
> 明るいほどいいという状態になっているものはあるでしょうね。
> これはモノの差であって、解像限界の原理の差ではないです。

これはその通りですね.議論がごっちゃになっていました.ごめんなさい.

> > 問題はF値が極端に大きい場合です.望遠鏡の場合口径が大きいためF値のベラボー
> > に大きい望遠鏡はナンセンスですが,ひうらさんが書かれているような,F100と
> > いうような望遠鏡では,口径が大きくても回折現象で映像は悪化すると考えてよ
> > いのでしょうか? たとえば口径1メートルの望遠鏡では,Fが100のものと,F15の
> > ものとでは,回折現象により解像度に差がでるのでしょうか?
> 
> これは焦点距離が違うので、上記で書いた通りです。
> 焦点距離を伸ばして暗くしたら、像面での解像度は落ちるでしょう。
> 星の見え方についてはわかりませんけど、無収差のレンズ系だったら
> 同じでしょう。
> 
> > つまり回折現象は,口径ではなくて口径比の関数と考えるべきなのでしょうか?
> 
> フィルム面上の値としては、そうです。
> レイリーの解像限界と言われていて、定式化されています。
> 口径比と、波長と、定数を掛け合わせると、解像限界が出る式です。

これについてくわしく知りたいです.なにか本を教えてください.ファインマンの
物理とかにも書いてあるレイリーの判定条件とか,望遠鏡の分解能などで使われる
レイリーリミットとは違うものなのでしょうか?

では.