[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

[nikomat:23520] Re: resolution factor of photo lens



ひうらです。

乾さん:
> > F.64 とかなんとかありますけど、これは判が大きいから
> > 出来ることでしょう。35mm 判の超広角で、通常の撮影距離
> > でやっても、あまり意味ないでしょう。
> 
> ここで一つ疑問が.なぜシノゴのような大きな判にカメラでは大絞りが可能で,
> 35ミリではF22を超える絞りでは回折現象が悪さをするのでしょうか?

回折現象による像の劣化は、以前書きましたように、
F値と波長から、フィルム面上の解像度が直接決まります。
画面サイズに対する、解像度の比ではないです。

1.22 * (波長) * (F値) が、分離不可能な2個の点光源の距離、
だったかなぁ。(今手元に文献なしゆえ・・)
どっちにしても、こんな式です。

で、判が大きいと、許容しうる解像度 (line/mm とかいった)
が低くてもいいですよね。例えば 135 だったら 30line/mm だけど
中判だったら 20line/mm までは許せるとかですね。
その場合中判では、1段余分に絞っても、あまり問題ないわけです。

(だから、デジカメとかでは判がとても小さい(1/5in CCD なんてのが
  けっこうある)ので、暗いレンズは使えません。小さい判で高解像度
  化するというのは、光が波動である以上、結構厳しいものがあります。
  パンフォーカス性が高くなることと、絞ると像の悪化が激しいことが
  相まって、絞る意義がほとんどなくなるので、固定絞りのカメラが多
  いんだと思います。)

> これは大きい判のカメラでは,焦点距離が長いレンズを使うので,大きく絞っ
> ても口径が大きいので回折現象が悪さをしない,という理解でよいのでしょうか?

うーん。焦点距離が長い == 像の倍率が高い(その分、判が大きいので
画角は同じ) == 問題ない、という風に考えればそのとおりです。

つまり、乾さんにあわせて ^^; 同じ口径で考えれば、焦点距離を
倍にすると、フィルム面上での解像限界が半分に悪化します。
(F値が倍になるので)
その分、判のサイズも倍になれば、全体の比率から言えば
問題なし。という原理ですね。

(だから、結局、同じ画角で、同じ像を得るためには、口径が
  同じならよいとも言える。デフォーカス量の議論も同様)

例えばぼくはマキナ(67判、80mm/F2.8)を使いますが、
この判が 135 の倍とすると、 40mm/F1.4 のレンズと同じ
映像効果があるわけです。Minolta CLE + 40mm/F2 で撮る
かわりに、80mm/F4 で撮れば良いわけです(口径は共に 20mm)
なぜなら、被写体から見たときの、口径の「みかけの立体角」
が同じなのですから、ボケから言えば同じ絵が撮れるわけです。
40mm/F11 で撮った写真と、Makina 80mm/F22 とでは被写界深度
が同じ。(マキナは F22 までなんですよね─。不足だ)

シャッター速度は2段遅くしないとだめですが・・
Super G ACE100 の変わりに Super G ACE400 を使えば良い。
(判が大きくなる分だけ像が悪くなるが)

ただし設計の上では、40mm/F1.4 を設計するのと、80mm/F2.8 を
作るのとでは、後者の方がはるかに用意であることは確かです。
だからデフォーカスを生かした撮影をするなら、ヘタに大口径
のレンズを 135 で使うより、大きい判にいった方がいいと思います。

逆に、近接撮影の場合、1m の距離の物体を撮影する場合では
その距離は 40mm レンズにしてみれば焦点距離の 25倍の距離
なので問題なさそうですが、80mm にしてみれば 12倍でしか
ないですから、ちょっと問題が出てくるかも。
小さなものを撮るのは判の小さなカメラのほうが得意です。
(同じ等倍でも、写る範囲が倍ちゃいますからねぇ)

ということで、世の中良くできてるなぁ。って感じです。

> これはつまり,望遠鏡の場合には倍率をあげることで,無理矢理像の間の距離を
> ひろげることができる.したがって像は劣化しても分解能力はあがる.しかし
> 写真レンズでは撮影したフィルム上の解像度が重要なので,むりやり拡大という
> 方法は使えない.あくまでも写された映像上でどの程度分解できているかを議論
> するしかない,という意味ですか.

そうですね。そのためにいろんな焦点距離のレンズ買いますし ^^;;

> するとレンズは映像のコントラストをいかに正確に再現するかが重要になります
> ね.だからMTFという議論がおきるのかな?

点光源は、空間スペクトル的には広がりが大きいですから、
星の点像を点にするためにはやはり MTF は重要でしょうけれど、
目で見る分には、あまり像面の平坦性とかそういうのが必要ない
(どうせ人間の目なんて、真ん中しか見えてない。見た方向に
ピント合わせてくれるし)ので、望遠鏡は楽でしょうね。
写真レンズで像面が湾曲してると、MTF 的には非常に不利に
なりますが(特に大口径レンズ)

> これについてくわしく知りたいです.なにか本を教えてください.ファインマンの
> 物理とかにも書いてあるレイリーの判定条件とか,望遠鏡の分解能などで使われる
> レイリーリミットとは違うものなのでしょうか?

前者は知らないんですが、後者は同じものでしょうね。

では