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[nikomat 1343] Re:Bessa-L



In message [nikomat 1335] Re:Bessa-L 
    よしださん <yd@nikongw.nikon.co.jp> wrote:
>  > スクリューマウントのレンズの話しで、ライカはカチッと来るけど、シムを入
>  > れ損なっている場合にはカチッとこないというのは、マウントの平面性が狂っ
>  > ているということになりそうですね。
> 
> これは シムの入れそこないのため、マウントが たわみ、「ネジマウント
> お締結により、レンズマウント面に倣うときに ばねワッシャーと同じ原理
> の コンプライアンスの低さ が 介在してしまうから」です。

これと、

>  > でそこまで平面でなくても問題ない(と
>  > 判断した)からペンタックスとかは平面性をそれほど求めていないということ
>  > ですね。
> 
> いや、ペンタックスが カッチリしないのは、レンズ側の材質が
> アルミなのと、レンズ側 座面の表面処理 のせいだと思います。
> 
> 平面性は あるはずです。じゃないと 上記タワーと同じ現象が
> 出るでしょうね。

これ納得できます。これらを満足するモデルは、

(回転に抗する力F) = (摩擦係数μ) × (接触面積S) × (接触圧σ)
で、
(接触圧σ) = (マウント側の剛さEm)×(マウント側のひずみ(変形量)εm)
           =   (レンズ側の剛さEl)×(レンズ側のひずみ(変形量)εl)
剛さにはネジ山の形状による部分もありますが規格化されているので同じもの
と見なすと、材料にのみ依存します。また`='は作用反作用の法則を表し、レ
ンズを交換するだけで変化することを意味します。

レンズの回転にともないレンズはマウント側に近付いてきます。
(レンズマウント間の距離の変化量ΔL) = α×(回転角の変化量Δθ)
ΔLとεは比例していますから、Sが変形によらず一定(平面性が出ている)なら
Fは△θに比例します。人のかけるFが一定ならEmあるいはElに依存して接触か
ら回転が止まるまでの回転角が変わります。L39だとM42よりレンズ自体が細い
ためFが小さくなっているのと、材質の違いでΔθが小さくなっているのがラ
イカということになります。

シムが正しくなくてマウントが歪んでいる場合には、SがΔθに依存して増加
していきます。このときΔθとεの関係は変わりませんから、ΔθとFの関係
は比例していたときより、傾きの緩やかな曲線を描くことになり、人の手にか
かる反力Fの立ち上がりが緩やかになり、反力を感じ始めてから止まるまでの
回転角が増加することになります。

// 光永 法明 // 大阪大学 工学研究科 創発ロボット工学講座 (D2)