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[nikomat 2590] Re: Robert Mapplethorps

ひうら＠きょうだいです。

おっしゃっていることは大体わかった（つもり）ですが、

松下さん：
> ご存知の方がどれくらいいらっしゃるか存じませんが、メープルソープの
> 作品のもう一つの側面はグロテスクです。件の展覧会ではゴムマスクをした
> 男性が口と出口にチューブを差し込んだ一見コミカルな１点だけでしたが、
> 彼の作品はこういうレベルではなく、凶器のようなものを突き刺したり、切
> られて血まみれのとか、その後外科的に再生するのか生き続けているのか、
> 不安になるような、いわゆる危ないのが一杯あるわけです。そもそもそれは
> 作品なのか。
> 
> その表現意図がお遊びなのか、淡泊な現実描写か、世間への仕掛けなのか、
> 分かる程度にまでは観賞してないのですが、それを表現せざるを得ないよう
> な何かが彼にはあったでしょうし、そうなるような背景が彼の周囲にはあっ
> たでしょう。避けられないものとして。

なるほど、しかし、そういうグロテスクな表現が、表現者にとって
どういう意味を持つのかどうかというのは、よいのです。私自身は
それほど興味ありませんが、現にそのようなものに興味を抱いて
持ち込もうとした人物はいるわけです。

で、

> 小さい子が見ると、吐いたりする位気分が悪くなると思いますし、年齢によっ
> ては真似しようとすることは十分考えられます。今の日本に、彼の作品を広い
> 視野で正確に受けとめるだけの心構えが揃っているかどうかは、私も疑問です。
> 「ヘアヌード」というような妙チキリンな言葉が最近流行しているような状況。
> 今彼の「ヘアヌード」程度のものを許すと、次にこういうのが大量に公然と入
> ってくることになりますね。（単なる時間の問題かも知れませんが）

の問題は、持ち込みの結果生じる二次的な問題ですよね。

暴力描写やセックスについては、日本より米国のほうがフリーで
あるかのような印象を持っている人も多いですが、実際には年齢制限や
メディア側の自主規制など、日本よりもうまくクラス分けされ
二次的な問題が起りにくいように配慮されていることはよく
ご存じだと思います。

そのような社会で認知され、実際に展示などが行われているものの
「持ち込み」を一概に否定するやり方は、「臭いものには蓋」的
方法であって、あまり本質的な方法でないように思う、ということです。

＃ 実際持ち込まれたものが、見たくない人、見せるべきでないような
＃ 人に見られないようにするためには どのようにしたらいいのか、
＃ という問題は非常に難しいと思いますが。

ただし、今回の裁判で問題になる（と僕が思う）のは、メイプルソープ
の作品が社会に与える影響（公開、またそれの生じる二次的問題）では
なくて、それ以前の問題（個人の所有）だと思うわけです。

> ＃日本でも、私の知らないところでは既にありなのかも知れませんが、
> 多分そうではないと思います。例の事件の人体解剖ビデオとか、
> 一般公開されてますか？

＃ 例の事件がなにか知らないのですが、

あくまで持ち込み後の問題として、「公開すべきかどうか？」という
判断の部分が問題だ、ということを言っているのではありません。
むしろ、公開を規制すべきところでは規制すべきだという
意見です。これは先のメールでも分かって頂けると思います。
ですから、このビデオ知らないのですが、やはり公開はされる
べきではないものなのでしょうね。

ただ、そういうものを水際から絶つというやりかたはどんなもんかいな、
という意味で、興味のあるかたもあるかと思い、メールしました。
愚民政策というわけではありませんが、国民が愚民であることを
仮定した政策ではありますね。

＃ 写真そのものとは話がずれてきたのであまりこれ以上ここで
＃ 深入りすべきではないかもしれませんが。

> 経験のある者の、日本全体を見通して将来も考えての判断なのでしょうから、
> それには耳を傾けますね。反論するならその人物以上の研究と実践と責任を
> もって立ち向かうべき、と考えていますし、私にはそのようなものはかけら
> もありませんので中庸をとるばかりです。

まぁそういう言い方もありますが、
これだと政治家以外は政治に対して口出しするなというのと
同じ論調になると思います。

個々人が自分なりの意見を持つのが最も重要だと思います。

＃＃ 松下さんはそうおっしゃりながらも、よく考えておられると
＃＃ 思うので、もちろん松下さんのことを言っているわけじゃ
＃＃ ないんですが、
＃ やはり個々人にそういう意識がなければ、やはり二次的問題が
＃ 生じそうな作品を安易に持ち込んだりすることは規制されるべき
＃ と判断されてしまうのかもしれません。

では。