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[nikomat 4437] Re: F3 vs F3HP



ひうらです。

みつながさん:
> From: Koji YOSHIDA <yd@nikongw.nikon.co.jp>
> > 色々なレンズを使っての一般撮影には 標準スクリーンのほうが
> > 良いと思います。
> 
> 中心のスプリットがやはり便利だと思います。全面マイクロはレンズによって
> はかげるし、ぼけた部分もみやすくはないです。方眼マットは暗いレンズだと
> 不安が残るときがあります。目がいいか、慣れれば問題ないと思いますが、標
> 準のスプリットマイクロマットはそれなりに、標準になる理由はあると思いま
> す。

そうですね。

スプリットイメージには、「前に外しているか後に外しているかが分かる」
という、ほかのタイプにはない特徴があります。

つまり、数学的なアナロジーで説明すると、直線がX軸を横切る点を求める
ような作業になるわけで、比較的簡単にピンの位置が出ます。
ところが、マット面だと、後に外しても前に外しても、同じような絵に
なるので、中央が盛り上がった山形の曲線の頂上を探すようなプロセスに
なるので、どうしても、一発でピンを出すのは難しくなります。
またスクリーンの特性やレンズの性能によって山の頂上の形状が
なだらかになるとなおさら難しくなります。

というようなことで、原理的にはマット面のほうが精度が出る条件もあると思い
ますが、心理的な要因を加味すると、実用上はけっこうスプリットは使いでが
あると言えるのではないかと思います。特に、絞って撮ることがわかっている
ような場合は、十分ですね。

被写体の種類によっては(例えば白黒のエッジや、白紙の中の黒い縦線など)、
下手にマットで合わせるよりスプリットで合わせたほうが精度が高いと思える
ものもあります。少なくとも、ちょっとぼやけたエッジのような物は
スプリットのほうが合わせやすいはず。もともとぼけた絵は、それにわずかな
ぼけが加味されてもほとんど変化がないので、山が見つからなくなるのです。

逆に布地や木目のようなテクスチャ状のもの、木の枝やまつげといった
向こう側が通して見えている物ではマットのほうが使いやすいでしょう。

スプリットで危険だと思うのは、標準レンズで5mぐらいの距離の人物
だと、思わず人物と背景の境界線でピン出ししてしまい、後ピンになること
ですね。マットは自然に、主題で合わせるようになると思います。
カメラの真ん中でなくても合わせられるし。

> 吉田さんの書かれているように解放付近重視なら全面マットらしいですが(以
> 前ひうらさんがかかれていたはず)、スクリーンは交換できるので好みのを探
> すのもいいかもしれません。

レンズに球面収差がある場合、開放での最良像面が出しやすいのは
マット面なのでしょう。得られる像に近いわけですから。

マット面にルーペを当ててピンだしして精度が上がるのなら、スプリットでも
同様のことが出来るはずなのですが、主題をちゃんと画面の中央のスプリットの
エッジ上に持ってくる必要があるのがうっとうしいところですね。

ビュータイプのカメラを触って思いましたが、チルトが出来るレンズは
きっちり端でもピンが出せるカメラでないと使い物にならないと思いました。
スクリーンがよくない(と言われる)EOS にはチルトアオリ出来るレンズが
ありますが、あれって使い物になるのかなぁ。

では。

---- 日浦慎作    Shinsaku HIURA ----