[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]
[nikomat 11697] Re: Repair (Re: Re; hane-abura)
佐伯です。
まごめさん、
> 最近読んだ本に、宝島文庫の「リサイクル活動の嘘」とか言う文庫本が
> ありますが、(題名はあてにしないでね)それを読むとリサイクルに
> かかる費用が新しい物をつくるよりよっぽど金がかかり、エネルギーが
> いる事が判ります。
環境問題に関しては、一応、少なくとも感覚的には最右翼な
ドイツにいると、いろんな矛盾を感じます。紙とか、ガラスは
環境に優しく、リサイクルしやすいなんていう安易なイメージ
があって、例えばワイン郵送用の箱の多くが全部紙製なのになっ
てきました。でも紙製の方が、発泡スチロールの中入れのより
2割位重いんですよね。と言うことは輸送にエネルギーが余計
に掛かるわけだし。聞いたところでは紙の再生よりも、発砲ス
チロールの再生の方がエネルギー消費量が少ないということも
あります。
一方で、例えば車ですが、ある程度のモデルチェンジが予想
されているからこそ、一層低燃費、低公害に向けた新しい技術
開発に投資することも可能になると思います。これがどの車も
20年、30年と長持ちするようだったらどうでしょう。
さらに、リサイクル問題と環境問題は二つに分けて考えるべ
きだと思います。石油なんかはいつか無くなるでしょう(昔、
今世紀中には枯涸するなんて言われてましたっけ?)。話はそ
れますが、映画「エイリアン」の設定は、電力は原子力で作り
だせるけど、合成樹脂の原料の油はどうしようもないんで、遠
くまで採取しに行くというのでしたっけ。資源問題で、ある程
度環境に負担になってもリサイクルしなければならない原料も
あるでしょうし、一方ではゴミ焼却炉みたいに(本当に安全な
ら)、プラスティックなどは燃やして燃料として使用した方が
余程効率が良いでしょうし。まあ、今は過渡期と思います。最
初から、終いには燃やさねばならないような素材を使う、使い
方をする、というのが間違いでしょう。「包装等に関する条例」
がドイツで施行されてから10年(8年?)。この間に、商品
のパッケージはもの凄く変化しました。今は車のリサイクルが
話題になっていて、作り自体がばらしやすいとか、合成樹脂で
も他種と複合して使わないとか、素材名が明記してあるとか。
今後ドイツでは環境税が企業に対して導入される方向に向かっ
ています。それは一律ではなく、エコロジー・バランスシート
なるものを導入して、それに応じて課税するというものになり
そうです。最初の例の紙みたいに、資源はそれほど浪費しない
が、エネルギー消費量が大きい等々をそれぞれプラスマイナス
でトータルを出すらしいです。ただその公平なる基準をどうやっ
て作るかは疑問ですが。
ちなみにドイツ世論調査によると、80年台後半〜90年台
初めは、心配事の第一位が環境問題でした。しかし現在は失業
問題とかの経済問題が一位で、環境問題は後ろの方に行ってし
まっています。高度成長期は環境の事を考える暇があったけど、
背に腹は代えられない、ということでしょう。ただ、分別ゴミ
(私の居所で、細かく言うと日常5種類、さらに粗大ゴミとか
庭ゴミ等)の出し方を幼稚園から教えている(らしい)という
のは、いかにもドイツ的だと思いましたが。
BYE!