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[nikomat 12327] Re: [--yota]JVC Digital Camera
ひうらっす.
> > 良く解りませんが、20KHz以上をカットする為にローパスフィルタ
> > を通すと、カットオフに近い所で位相がずれちゃうという話だと推
> > 測してます。オーバーサンプリングとかビットストリームとか使う
> > と(良く解ってない私)フィルタへの要求が楽になるので抑えられる
> > のかもと思います。
そうですね,オーバーサンプリングを使うと位相ずれは無くなります.
(ビットストリームはわかりません ^^;)
> なんでしょうね。なるべくなだらかにフィルタリングしないと
> いかんとかいう相反関係がでてくるのでしょう。
> ビットストリームはわからんですが、オーバーサンプリングとかって、
> なんらかの線形補間をするって事ですよね。
録音時(AD時)のオーバーサンプリングは,最終的なサンプリング
周波数(44.1KHz)よりも高周波数(普通,整数倍)でADしてやって,
その後,(最終的なサンプル時刻の前後の値を用いて)ダウン
サンプリングします.
もちろん,単に間引くのではなく,前後のデータの加重平均を
用いるわけです.適当に,近い所ほど重みを増した平均を使えば
まあまあいいんですが,信号処理的には Sinc 関数を用いるのが
理想的です.
#Sinc関数とは,sin(x) / x の形の関数で,最初の零点(sin(x) が
#0になるところ,つまり x = π/2)が最終的なサンプル周期に
#なるようにx 軸方向に伸縮させて使います.
この関数は,原点対称の関数なので,最終的には,あるサンプル値
を決定するのに,その周囲(前後)のサンプル値が均等に関与する
ことになります.
それに比べて,アナログフィルタ(厳密には IIR フィルタ)では,
あるサンプル値を決定する要因(入力電圧)の重みは時間軸方向に
対称とはならず,位相ずれの問題が出やすくなります.
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再生時は上の処理のまったく逆を行います.つまり,サンプル間隔の
間を埋めて,より高周波のサンプリング周波数でDA変換するわけ
ですが,この「埋める」処理に Sinc 関数を使います.
つまり,それぞれのサンプル値に Sinc 関数を畳み込んだ連続波形を
出力することを考えるわけです.実際には,この連続波形を,
より高いサンプリング周波数でリサンプリングして出力することに
なるわけですが.
> > #画像処理で周波数によって位相がずれるとどうなるのかなぁ?
> > #無意味だけれど、そういう想像をするのは面白い。
>
> できの悪いホログラムのようになるのでは^^;
テレビのフタ開けたところに,よく付いていた
「シャープネス」とかいうつまみを触ると,画像のエッジの
立ち方が変えられるものがあります.(古いやつかな)
こういうのは,テレビ信号を時間方向に連続した信号と考えて
アナログフィルタで処理しているんで,やはり位相ずれの
問題が発生します.走査線方向の処理しか出来ないという問題
もありますが,一般に photoshop の「シャープネスフィルタ」
のようなデジタルフィルタ(画像処理用語では,非因果的フィルタ
と呼ぶ)とは異なり,等方的なフィルタ効果が得にくいです.
#同じ白黒エッジでも,白から黒に変化するところと,黒から白に
#変化するところで,起こる現象が異なってしまう.
では
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日浦 慎作 Shinsaku HIURA
大阪大学大学院 基礎工学研究科
システム人間系専攻 システム科学分野
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