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[nikomat 18866] Re: exposure calculator
ひうらです.
At 13:58 01/01/20 -0800, you wrote:
>松下です。
>
>horsemanのカタログに、ピントグラス上に置いて露出倍数を読み取る
>アクセサリ「露出倍数スケール;29553, culumet, \2,500」があります
>が、拡大撮影時の露出倍数は、被写体側に置いた物差しの長さをピン
>トグラス上で計ることによってだけで決められるというのはどういう
>理屈になっているのか不明ですが、理屈が分かれば自分で作れるよう
>な気がします。
簡単な原理です.
撮影倍率を求めているだけなのです.
例えば露出が2段暗くなるシチュエーションというのは,等倍ですから,
例えば 5cm のスケールを作ったとき,これがピントグラス上で 5cm なら
露出倍数は2段プラス.
なお中判・大判テクニカル系は,非対称なレンズ(レトロフォーカス,
望遠型)はあまりないので,問題ないわけですね.
>で、計算はどうすればよいのでしょうか(^^;?
f = 焦点距離
b = 蛇腹の繰り出し量+焦点距離
a = ワーキングディスタンス
とすると,ご存知ガウスの結像公式
1/a + 1/b = 1/f
また,薄肉凸レンズの露出倍数 x は
x = (b / f) ^ 2
また,倍率 M は
M = b / a
です.
これらから a, b を消去すると
x = ( M + 1 ) ^2
となります.これを露出段数に変換するには,2を底にした対数を取れば
いいので,露出段数は
2 * log2 ( M + 1 )
となります.
先ほどの等倍 m = 1 の場合を代入すると,ちゃんと2が出ます.
例えば 1/2 倍のときだと 1.16 段,多く露出をかけます.
無限遠は M = 0 です.
計算も面倒でしょうから,一応表をつけておきます.
倍率 補正段数
0 0
.1 .275
.2 .526
.3 .757
.4 .971
.5 1.17
.6 1.36
.7 1.53
.8 1.70
.9 1.85
1.0 2
1.2 2.28
1.5 2.64
2 3.16
これは使いにくいかもしれないので,補正段数基準の表も作りました.
倍率 補正段数
0 0
.122 1/3
.189 1/2
.260 2/3
.414 1
.587 1+1/3
.682 1+1/2
.782 1+2/3
1 2
10cm の被写体側スケールを作るのなら,こちら側の定規のほうも 10cm の
長さにして,上記 倍率の値を10倍したところに,補正段数を書いていけば
OKです.
あと被写体側だけのスケールっちゅうのも考えられますね.
(例えば,ブローニーの一辺 56mm いっぱいになるところの
目盛りを読むとか)
逆数を取ればいいんだけど,・・面倒になった.
あとは適当に excel かなんかに計算させてください.
#ただ 135 でこれを使うのは危険ですね.
#レトロフォーカスや望遠タイプでは大きく狂うから.
#そもそもTTL露出計があるからいらないだろうし.
では
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日浦 慎作 Shinsaku HIURA
大阪大学大学院 基礎工学研究科
システム人間系専攻 システム科学分野
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