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[nikomat 21067] [---yota] SL in Harz (Re: SL)



宮崎っす。

すぎやま@鉄分はヘモグロビンだけ(?)さん:

> 何年かはっきり覚えていないのですが、91年か92年ころに日本の
> 知人を連れて北ドイツのHarz山脈をドライブしていたら道を間違って
> 東側に迷い込みました。

ずばりその地方を走るのが、私が4月25日に投稿した、
[nikomat 21006] [---yota] Overseas Steam Engins 1 (Re:鉄の方へ)
の中で記述した路線です。

NHKのBs-hiで放映されたのもその地方の路線で、番組自体
は登山路線である支線のブロッケン線中心に製作されている
と思います。

> そのころは壁崩壊後2-3年しか経過していなかったので、
> 東西の景色には別世界のような差がありました。

家並みがぼろく、都市部では街全体が煤けた感じ。
道路の舗装をとっても違っていましたし、統一前後は人々が着
ている衣類や時計・靴・鞄等で簡単に判別できたぐらいです。

今はもうわかりません(私みたいな旅行者からだと)。
アウトバーンに関しては、いまだに旧東ドイツ全域で大工事が
続いていますが(こちらはまだまだかかりそうです)。

> で、新緑の森の中の木漏れ日のワイディングロードをず-と下っていた
> のですが、何回も踏み切りがあり、同じ谷を鉄道が走っているのです。

その線路はたぶん...

http://www.hsb-wr.de/

のトップページにある路線図の中で、上の方の国鉄線(当時)
Wernigerode[ヴェルニゲローデ]から、南にずっと降りて再び国
鉄線 Nordhausen Nord[ノルドハウゼン ノルド]と接続する茶色
の本線だと思います。延長132kmだったかな。

> 踏み切りには質素な標識があるだけで、派手な路面表示や遮断機や
> 警告灯もなにもありません。なもんで緊張感なく通過していました。

市街地の通行量の多い踏み切りには、統一後に警報機・遮断
機がつけられましたが、それ以外の所は簡単な標識のみのと
ころが今も多いです。

汽車のスピードは変わらないが、車の量は圧倒的に増え、スピー
ドもロクに出ないトラバントから高性能な車になっていますから、
機関士はかなり気を使っているでしょう。

踏み切り直前では、何度も汽笛を鳴らしますし、市街地付近を
走り抜ける部分では、機関車に装備されている鐘(煙突付近に
ついている)をけたたましく鳴らします(良く響く)。

> 記憶は定かではないのですが、ドイツは踏み切りの一時停止義務はないの
> か佐伯 さん?

某日本語ハンドブックによると、乗用車は指定がない限り一時
停止の義務はなかったと思います(安全と思われる場合)。
現地の車はそのまま走り抜けていましたから、私も回りの車に
合わせてそのまま通過していました。やはり詳しくは(正確に
は)佐伯さんでしょうか。

> あまり守られていないですが、一応安全確認はしていました。
> で、とにかく気持ちいいので窓やサンルーフを開けて走っていたのですが、
> 途中から変な音がするので、知人となんだろうと言っていました。
> 滝のような飛行機のような音です。

警報機・遮断機がないこともあって、踏み切りの手前では盛ん
に汽笛を鳴らします(しつこいくらいに)。少し籠もったようなよう
な独得の音で、節があります(あの節回しの出し方は不明)。

> その時、ちょうど踏み切りにさしかかったのですが、
> 突然、眼の前に木の間からSLが現れて、
> 減速していたとは言え、あわってて急ブレーキを践みました。
> 別に危なかったわけではないけど、
> 直前まで音はさほど大きくなく、全く見えなかったので
> 巨大な黒い塊が15-20メートル先に飛び出して
> 轟音を立てた時には顔を殴られたような感じで本当にびっくりしました。
>
> 知人と「さすがに東だ」と納得しカルチャーショックに浸っていましたが、
> 今になって考えるとあれは観光列車かもしれません。

観光列車ではないですよ 〜 「さすが東」なんです。

それはたぶん、Wernigerode 〜 Nordhausen Nord 間を走るDR
(旧東ドイツ国鉄〜既に東ドイツはなかったが)の定期旅客列車
です。

当時の動力車は全てSLだったと思います。
その後は民営化・合理化が進み、今はこの区間全線を通しで走
るSL列車は1日1本ぐらいしかありません。他はディーゼル機関
車牽引またはディーゼルカーです。列車本数自体も減らされてい
ると思います。

ナローの狭軌鉄道と言っても線路幅は1mで、日本の鉄道とは
67mmしか違いません。Harzで主に使われている車両は、99-72
というナローでは最大級(軸配置は1−E−1)のもので、運転整
備重量は60t以上あります。日本の国鉄のローカル線用C12型
(真岡鉄道で走っている機関車)より多分大きいでしょう。

私が1991年5月に訪れた時、Harz地方は旧西側からの観光客
で賑わっていました。森の中から突然SL列車が走ってきた時、
大型観光バスに乗っていた人や踏み切り近くにいた(旧西ドイツ
人と思われる)観光客は、相当驚いていました(目が点になって
いた)。

では。

                  (株)リコー  秦野事業所 宮崎 昭彦
                     E-mail:amiyazaki@nts.ricoh.co.jp